「中学校に新たな楽器を」 市民有志が支援ライブ企画 三浦市

チャリティーコンサートを企画した朝本さん

 長年、楽器不足と老朽化に悩まされている三浦市立中学校の吹奏楽部を支援しようと、市内在住のプロサックス奏者・朝本千可さんら市民有志が、チャリティーコンサートを企画。2月25日(日)に三浦市民ホールで催される。収益の一部は楽器購入などに役立てられ、主催者は、子どもたちの音楽活動への支援を呼びかけている。

 「今から7〜8年前。生徒の保護者からの依頼で三崎中学校へ指導を行った際、ひたむきな練習に感動したのと同時に、ボロボロの楽器を使う姿を見て驚いでしまって」。そう話すのは、国内の女性サックスプレーヤーの草分けとして世界で活躍する朝本千可さん(小網代在住)。「これでは良い音、良い演奏が出来るわけないと思った」と振り返り、生徒たちといつかプレゼントをする約束をしたという。

 その後、市教育委員会へ赴き、教育長へ直談判。緊縮財政下ではさらなる購入・修繕費の捻出が困難であることから、チャリティーコンサートを通じた支援を決めた。購入資金にとどまらず、一たびコンクールへ出場すれば県外へ遠征。楽器運搬費などの負担も大きく、活動存続すら危うい内情を知ってもらおうと知人らに支援を仰ぐと、市内事業者や三浦商工会議所、三浦ライオンズクラブのほか、明治学院理事や横浜の老舗楽器商社「野中貿易」などが次々と協賛を買って出てくれた。

 また、コンサートには、朝本さんと親交の深い実力派プロミュージシャンが多数協力。子どもたちを後押ししようと、ステージ上で熱い演奏を披露。ゲストとして三崎中学校吹奏楽部も出演し、日ごろの活動の成果を発表する。フィナーレでは、全員でのセッションで会場を盛り上げる。

楽器ありきの部活動

 今回の公演について、同校吹奏楽部顧問の下里可南子教諭は、「とてもありがたい。生徒たちも喜んでおり、コンサートに向けて練習に励んでいる」と話す。自身も市内出身で吹奏楽経験者とあって、同じ境遇で練習を続ける姿に心を痛めていたという。メンテナンスは最低限。音が出ない・動かないという不具合があったときで、購入から30年ちかく経過しているものもある。「保有する楽器ありきの編成で、曲目や構成に制約が出ているのは事実」と下里教諭は厳しい現状を明かす。

 「会場で子どもたちが演奏する姿を見て、音楽を聴いてもらうことが支援。地域全体で応援してもらえたら嬉しい」と朝本さんは賛同を呼びかけている。

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 コンサートは午後2時に開演(1時30分開場)。料金は1人2000円で、花岡新聞店やミサキプレッソ、古道具ROJIなどでチケット販売中。

 詳細は朝本さん【携帯電話】090・2478・2341

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