長崎県知事選 厚着、カイロ…最後は気合? 候補者ら寒さ対策に工夫

 寒風吹きすさび、インフルエンザが大流行する今日このごろ。終盤に入った知事選の候補者やスタッフは大丈夫なのか。対策を探ると「元気」を保つための工夫がうかがえた。

 「声がかれたのは大声を出し続けたからか、それとも…」。現職の中村法道候補(67)は選挙戦中盤、微熱もあり、病院に行くと風邪と診断された。それ以来、薬を飲みながらの戦いだ。登山用の厚い下着やダウンジャケットを着こんで選挙カーで巡る。助手席で手を振るため冷風を浴びる左腕だけさらに重ね着。それでも「食欲は増した」。31日昼は東彼波佐見町で、ちらしずしや豚汁、おにぎりをたいらげた。

 選挙カーに同乗するスタッフも背中にカイロを2枚張り、下半身に毛布をかける。子どもがインフルエンザにかかったスタッフには、選挙事務所への立ち入りを自粛してもらうなど感染防止を徹底。陣営関係者は「体調を崩さないよう温かくし、最後は気合だ」と意気込む。

 実際、県内は寒さが厳しく、インフルエンザもまん延している。長崎地方気象台によると、平均気温は告示日(18日)こそ9・1度あったが、24~27日には1~2度台に下がり、最低はマイナス2・2度を記録。県によると、15~21日の週は70医療機関への調査で1医療機関当たりのインフルエンザ患者数が過去最多の68・23人に上った。

 31日朝、新人の原口敏彦候補(56)は黒いコートなど5枚着で雲仙市の街頭に立った。「演説中は体に力が入るから寒さは全く気にならない」と笑い、インフルエンザ対策も「これまでかかったことはない」とあっけらかん。

 演説会場では支援団体が来場者にマスク着用を呼び掛ける。原口陣営では主力スタッフ数人がインフルエンザでダウンする危機もあったが、幹部は「今はみんな回復してきた」と態勢の立て直しを急ぐ。

そろいの防寒着を着て、選挙カーに毛布を積み込む陣営関係者=長崎市内

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