プロ野球春季キャンプを知る…キャンプ施設は何がある? スケジュールは?

キャンプ施設は何がある?スケジュールは?【写真:編集部】

キャンプ施設はメイングラウンドなど4つに分かれる

 2月1日からスタートしたプロ野球キャンプ。12球団が様々な地域や環境の中でキャンプを行っているが、基本的な施設とタイムテーブルは共通している。

 プロ野球のキャンプ地の施設は、大きく分けて4つある。

○メイングラウンド
 チームの全体練習や野手陣のシートノック、バッティングケージを使った打撃練習、さらには紅白戦や練習試合などに使われる。観客席がある。
○サブグラウンド
 メイングラウンドと同様、ダイヤモンドがある場合が多い。投手陣のノックや投内連携、全体練習後に行われる守備の特別練習、ランニングなどに使われる。観客席がない場合が多い。
○ブルペン
 投手陣が投球練習に使用する。屋根付きでホームベースが並んでいる。
○室内練習場
 雨天の際に使用する練習場。土が入れられており、ノックや打撃練習などができる。故障などで通常メニューから外れた選手の調整にも使われる。

 一般のファンは、メイングラウンド、サブグラウンドでの見学が可能だ。ブルペンは球団によって異なり、観客席を設けて公開している球団もあるが、公開していない球団もある。室内練習場は非公開の球団が多い。

 そのチームも、キャンプ初日の2月1日から数日間は、ランニング、ウォームアップ、キャッチボールなど基本的な練習が中心となる。昔はキャンプ初日にぼってり太った体格で現れ、「キャンプ中に体を絞るからいい」と言う選手もいたが、最近はほとんどの選手が自主トレをして、いつでもプレーできるコンディションでキャンプインするのが普通だ。そのために選手の仕上がりが早くなり、実戦形式の練習が年々早くから始まる傾向にある。

 キャンプ中盤には、ほとんどの投手がブルペンで投球練習を行い、紅白戦や練習試合も始まる。この時期になるとレギュラーや1軍入りする選手の顔ぶれが決まり始める。

 キャンプは5日に1回程度、休日を設けている。休日から休日までが1クールと呼ばれ、各クールごとに1軍と2軍で選手の入れ替えをするチームが多い。ベテラン選手の中には最終盤まで1軍に合流せず、2軍で独自の調整をする選手もいる。

1日の始まりはウォームアップから

 1日のスケジュールは、ウォームアップ、キャッチボール、全体練習、個別練習と流れていく。ウォームアップは1時間以上かけて入念に行う。これを怠ると怪我や故障につながるからだ。朝10時に集まった選手たちは、11時過ぎまでボールやグラブに手を触れずに体を温める。気温が低い宮崎のキャンプの方が、沖縄よりもウォームアップの時間が長い傾向にある。

 ウォームアップの後は、野手組、投手組に分かれてシートノックや投内連携など、チームでの練習が始まる。投手陣は昼前くらいからブルペンに入る。ブルペンではスタッフが球数をカウントしている。ビデオを撮るチームも多い。間近で見るプロ野球選手の投球は圧巻だ。野手組のバッティング練習も昼頃から始まることが多い。ランチタイムに主力打者が打つこともあれば、投手陣がバッティングケージに入ることもある。

 全体練習は昼過ぎには終了。午後からはサブグラウンドで野手がノックを受ける「特守」や、打撃の「特打」が始まる。キャッチャーが捕球する練習をしたり、バントの特訓を受けたりする場面も。サブグラウンドはファンと選手の距離が近い。若手の花形選手がノックの嵐を受けている姿を見れば、応援したくなる気持ちも強くなるだろう。

 キャンプ後半には午後から紅白戦や練習試合が行われるので、練習メニューは午前中だけとなる。

 練習が終了する午後3時頃には、選手もリラックスし、気楽にサインに応じてくれることもある。

 キャンプはペナントレース中とは違う選手の表情に出会える絶好の機会だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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