新戦力 2018V長崎① 背番号11 FW 鈴木武蔵(23)スピードと高さ武器

 サッカーJ1に初参戦するV・ファーレン長崎は、11人の新戦力を迎えた。経験豊富なベテランから伸びしろを感じさせる若手まで、その顔触れは多彩だ。期待を背負う選手たちを紹介する。

 相手DFの裏に抜け出すスピード、高さのあるヘディング、右足から放たれる豪快なシュート…。先月22日のFC東京との練習試合で、高い身体能力を生かしてV長崎の攻撃に迫力をもたらした。各世代別の日本代表を経験してきた23歳は「勢いのあるチームからチャンスをもらった。期待に応えたい」。新天地で飛躍を誓う。

 ジャマイカ人の父と日本人の母を持ち、群馬県で育った。身長185センチで50メートル5秒9の快足FW。桐生第一高時代はチームを初の全国高校選手権8強に導いた。U-16を皮切りに、2012年に当時J1の新潟へ入団した後も世代別の日本代表に名を連ね、16年のリオデジャネイロ五輪に出場。1次リーグのナイジェリア戦でゴールを決めるなど実績を残した。

 ただ、新潟では14年のリーグ戦29試合3得点、カップ戦6試合3得点が最高成績。昨季は17試合で1ゴールを挙げたものの、8月にJ2松本へ期限付き移籍した後は9試合の途中出場にとどまった。「ゴール前での仕事ぶりで結果が変わってくる世界。長崎で何かを見いだせたら」。変化を求め、より走力を生かせるチームへの完全移籍に踏み切った。

 今季の目標は2桁得点。同じFWで「アジアの大砲」と呼ばれた高木監督に「ポジショニングや細かな駆け引きを学びたい」と意欲的だ。サッカー番組ではV長崎の高田明社長の物まねを披露するなど陽気な一面も。そのスピードと明るさでチームを上昇気流に乗せていく。

スピードを武器に2桁得点を目指すFW鈴木=沖縄県西原町民陸上競技場

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