長崎県知事選 五島の黄島、赤島 繰り上げ投票廃止 人口減や交通事情で統合

 五島市の黄島と赤島ではこれまで選挙のたびに繰り上げ投票が行われてきた。今回の知事選から、市中核の福江島の投票区に統合。繰り上げをやめる代わりに、さらに前倒しして期日前投票の1日間だけにした。福江でも投票できるが、人口減少に加え、2次離島の交通事情を受け、市と島民側が協議した結果だった。

 この2島を除いても、繰り上げを行う県内26投票区のうち大半の18投票区を同市が占めている。投票区の統廃合は知事選後も一つの課題となりそうだ。

 市選管によると、黄島の有権者は40人、赤島は16人。これまでは投票日前日に各島に投票所を設けていた。ただ、昨年の衆院選で台風が接近、投票箱を福江に運んだ島民が2日間帰れなくなり、市と今後の対応を協議してきた。同市内での2次離島の投票区統廃合は黒島(有権者2人)以来6年ぶり。

 今後、黄島と赤島の有権者は、船で福江に渡って当日投票または期日前投票する以外に、各島に投票3日前をめどに開設される期日前投票所を利用する。今回は1日に行われ、計30人が投票。ほか計8人が福江で投票を済ませた。

 一方、同市は、全有権者に占める期日前投票者数の割合が1月末現在、小値賀町に次いで県内2番目に高い。既に前回知事選期日前の最終実績を約1500人上回っている。2次離島の有権者の中には、買い物や通院などで福江を訪れる際に投票する人も多い。

 過疎化が進む島では、立会人などを確保するのが難しい場合もある。残る18投票区について、市選管は「統廃合で投票率が下がれば本末転倒。現時点で具体的な話はないが、もし必要になれば、住民の意見を尊重して慎重に可能性を探りたい」としている。

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