〔蔵王山〕山頂付近の隆起は停滞も、火山性地震をなお観測(2/16)

1月30日午後に噴火警戒レベルが引き上げられた、宮城・山形県境の蔵王山では、2月9日以降は火山性微動が観測されておらず、傾斜計での山頂の南方向の隆起も4日頃から停滞していますが、火山性地震はなお観測されています。16日に陸上自衛隊東北方面隊の協力により実施した上空からの観測では、御釜をはじめ蔵王山付近の噴気活動や地表面の状況に異常は認められず、監視カメラによる観測でも噴気などの状況に特段の変化はみられていません。
気象庁では、蔵王山の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)を継続し、想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒するとともに、噴火時には、火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意するよう呼びかけています。

【火山性地震、火山性微動の発生回数】(速報値含む)
       火山性地震  火山性微動
2013年      211回     14回(01/22に初観測)
 14年       -      16回
 15年       -      11回
 16年       -      9回
 17年       -      2回
 18年
1月28日       0回      1回(19:28頃)
  29日       0回
  30日       4回      3回(00:44頃・14:18頃・21:45頃)
  31日      12回
2月 1日       4回
  2日       5回      1回(01:34頃)
 3-7日      16回
  8日       2回      1回
9-12日       0回
  13日       1回
  14日       1回
  15日       2回
  16日(00~15時)  1回

◆用語解説「火山性地震と火山性微動」
・火山性地震は、火山体およびその近傍で発生する地震の名称で、地下でなんらかの破壊現象が起きて発生すると考えられている。
・火山性微動は、火山に発生する震動のうち、火山性地震とは異なり震動が数十秒から数時間も継続する、波形の総称。地下のマグマやガス、熱水など流体の移動や振動が原因と考えられており、噴火に伴う微動もある。

蔵王山噴火警戒レベル

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