民間の空きスペースを駐輪場に 大和市が全国初の試み

 大和市は民間企業と連携し、スマートフォンやパソコンを使って空きスペースを駐輪場として貸し借りできるサービスを15日から始める。希望者が駐輪場として貸し出したい場所を登録し、駐輪したい人が事前予約して使用料を支払う仕組み。市の巡視員が不正駐輪を見回り、利用促進を図ることで駐輪スペースを増やし、放置自転車対策につなげる狙い。市によるとこうした取り組みは全国で初めて。

 市は東京都新宿区のインターネット広告業「アイキューソフィア」と協定を締結し、同社が昨年8月に運用を始めたサービス「みんちゅう」を活用。個人・法人が駐車場や店舗前など、使い道に困っているスペースなどを登録し、駐輪希望者が日付や場所を登録先の中から選び事前予約して利用する。利用には名前や自転車の写真などの設定が必要で、金額はスペースの提供者が設定する。

 自転車等放置禁止区域を巡回する市の交通安全巡視員が不正駐輪の警告や自転車の撤去・保管を行う。サービス提供エリアは商業施設が集まる大和、中央林間駅周辺。市道路安全対策課は計1200台程度が駐輪できるスペースがあるとみており、15日時点では両駅で100台程度ずつが利用できる見通し。

 1日には大木哲市長とアイキューソフィアの中野里美社長が出席し、協定締結式が市役所で行われた。大木市長は「市民が自転車を活用しやすい環境づくりに積極的に取り組む」と話し、中野社長は「モデル地域として注目されるように全力で頑張りたい」と語った。

 同課によると、2016年度に市内8駅周辺で撤去された自転車は1575台。ピーク時の約1割に減ったが、歩道や道路に駐輪して警告を受けるのは7万台程度で、短時間の放置が主因とみている。

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