対馬の漂着ごみ問題考えよう トランクに詰めて展示 厳原・半井桃水館

 長崎県対馬市の漂着ごみ問題について考えてもらおうと、地元住民でつくる「地域で子育てを楽しむ会」が3日、同市厳原町中村の半井桃水館(なからいとうすいかん)で「漂着物のトランク・ミュージアム対馬版」展を開いた。対馬のさまざまな漂着ごみが展示されており、子どもらは驚きの声を上げていた。4日まで。

 漂着物のトランク・ミュージアムは、環境NGO「JEAN」(東京)が始めた取り組みで、高さ約80センチのトランクに漂着ごみを詰め込んで展示する。

 対馬版は、2016年冬に市内の中学生が市西岸の海辺で拾ったごみをJEANの担当者が分類。トランクごとに▽弁当の空き箱や歯ブラシなどの生活ごみ▽中国語や韓国語の表記がある多国籍ごみ▽注射器などの危険なごみ-などに分け、トランク5組で昨年1月末に完成させていた。

 半井桃水館では、地元で漂着ごみ問題に取り組む一般社団法人「対馬CAPPA」の上野芳喜代表(61)が「一見すると美しい対馬も、足元に目を向けると漂着ごみが多い。日ごろの生活で出るものが漂着ごみの7割」と解説。見学した市立厳原小3年の藤(とう)千聖(ちさと)さん(9)は「こんなに多くのごみがあるなんて。ごみはきちんとごみ箱に捨てなきゃ」と話した。

 4日の展示は午前9時~午後1時半の予定。

対馬の漂着ごみをトランク内に展示した「トランク・ミュージアム対馬版」を示す上野代表=対馬市、半井桃水館

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