機構、病院長を更迭 神奈川県立がんセンター問題

 県立がんセンター(横浜市旭区)で放射線治療医が相次いで退職の意向を示した問題に絡み、同病院を所管する県立病院機構の土屋了介理事長は3日、同センターの大川伸一病院長を更迭する人事異動を発令したことを明らかにした。土屋氏は問題の責任を明確にし、人心を一新して管理体制を強化するとしている。発令は2日付。

 新体制では、病院長は当面不在とし、院長代行に企画情報部長の金森平和氏、院長補佐に臨床研究所長の小林寿光氏を充てる。大川氏は企画情報部長に降格とした。

 土屋氏は取材に対し、「がんセンターをさらに充実した施設とすべく管理体制を一新する。人事異動はその第1弾」と説明。大川氏の降格理由については問題に関する理事長報告を怠り、複数回の指導にも改善が見られないことなどを挙げ、内規の「その職に必要な適格性を欠く」と判断したとしている。

 関係者によると、土屋氏には人事権があるものの、今回の発令は内部手続きを経ていないという。土屋氏は2日、問題に関する県の調査結果を不服として反論する記者会見を開いていた。

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