長崎県知事選 審判へ 最後の訴え

 長崎県知事選は3日、17日間の選挙戦に幕を下ろした。寒さ厳しい中、県内各地を巡り支持を訴えた現職の中村法道候補(67)と新人の原口敏彦候補(56)。県民の審判を前に、最終日は大票田の長崎市で声をからした。

 「多くの笑顔と温かい心をいただき、長崎はきっと元気になれるとあらためて確信した」。中村候補は同市元船町のゆめタウン夢彩都前でマイク納め。言葉に力を込め、選挙戦をこう振り返った。

 県内をくまなく回り、人口減少が進む現状を目の当たりに。地域間競争を勝ち抜き、明るい展望を切り開くことで「県民の夢を形にしてお示しできるよう全力を尽くす決意を新たにした」と語った。

 最後の演説のうち約2分間、一緒に戦った自民県議団や推薦団体、スタッフらに感謝を伝えると、声をからしたうぐいす嬢の目に涙。最後はやり切った表情で、支持者らと拳を突き上げ必勝を誓った。

 原口候補は長崎市内を選挙カーで回り、20回近くの街頭演説を重ねた。

 午後7時すぎ、同市浜町で最後の演説。立ち止まって聞き入る人が少ない中、「投票に行こうか迷っている人が周囲にいたら、声を掛けてほしい。小さく見える一票一票の積み重ねが政治を動かす力になる」と投票を呼び掛けた。「一緒に新しい県政をつくろう」と声を振り絞ると、約20人の支援者が拍手と声援を送った。

 選挙カーのはしごを降りた原口候補は「17日間で今日が一番寒かった」と白い息を吐きながら充実した表情を見せた。「ありがとう」「お疲れさま」。ねぎらいの言葉を掛ける支援者と握手を交わしていた。

市中心部で最後の訴えをする知事選候補者ら=長崎市内(写真は一部加工)

© 株式会社長崎新聞社