再発防止へ具体策公表 棟方板画すり替え問題

 県が所有する棟方志功作の板画がカラーコピーにすり替わっていた問題で、県と県教育委員会は1日、再発防止に向けた具体策を公表した。昨年12月にまとめた最終調査報告を踏まえた内容で、厳格化した美術品管理方法や危機管理対策を明記。関係職員らの人事的措置も実施し、一連の問題に区切りを付けた形だ。

 新たな管理方法は、美術品に特化した台帳を作成し、年1回の点検を実施。100万円以上の美術品は原則として県立近代美術館で保管、寄贈品の受け入れは管理負担を考慮して判断する。展示する際の盗難防止策なども盛り込んだ。県教委は学芸員らによるチェック体制や危機管理意識の共有方法を明確化した。

 同問題は、県民ホールに飾っていた板画を2014年に近代美術館で展示した際に発覚。県と県教委、ホール指定管理者の神奈川芸術文化財団はそれぞれ、両館の館長ら計11人に厳重注意などの措置を実施した。

 

© 株式会社神奈川新聞社