長崎県知事選、中村氏3選 投票率最低36.03% 原口氏に21万7000票差

 任期満了に伴う第19回長崎県知事選は4日投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の中村法道氏(67)=自民、公明推薦、民進支持=が約31万2千票を獲得、無所属新人で共産党県委員会書記長の原口敏彦氏(56)=共産推薦=を前回に続いて大差で破り、3選を果たした。投票率は36・03%。過去最低だった前回を4・69ポイント下回った。

 中村氏は昨年11月に出馬表明。人口減少や県民所得の低迷といった「構造的な課題に向き合う」と主張、九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化や石木ダム建設の推進などを掲げ、県政継続を訴えた。前回に続いて自公が推薦し、民進も支持に回った。県看護連盟、県農政連盟など幅広い業界団体も推して分厚い組織戦を展開。県全域に浸透し、大量得票となった。

 対抗馬として昨年12月に名乗りを上げた原口氏は、2期8年の中村県政を「県民の声を聞かず、強権的」と批判。石木ダム建設中止や国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門など、大型事業の是非で対決色を鮮明にした。現職批判票の一定の受け皿にはなったが、支持が広がらなかった。

 前回も同じ顔触れによる一騎打ちだった。2人の出馬表明時期が遅く、自公と民進が現職に相乗りする構図も変わらなかった。選挙戦は序盤から「現職の信任投票」との見方が強く、終始盛り上がりを欠いた。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の知事選となった。

 県選管によると、当日有権者数は114万8322人(男53万924、女61万7398)。

 当 311,893 中村 法道 67 無所属・現

    94,442 原口 敏彦 56 無所属・新

【中村氏の略歴】日本赤十字社県支部長、(元)県副知事、総務部長、農林部長、対馬支庁長、秘書課長、国際課長▽長崎大経済学部卒③

3期目の当選を果たし万歳する中村法道氏(中央)=4日午後8時4分、長崎市の選挙事務所

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