果たして松坂は先発ローテに入れるか 注目度アップの中日の先発事情は

復活が期待される中日;松坂大輔【写真:荒川祐史】

注目浴びる松坂、新天地でローテ入りなるか

 2月1日から始まった12球団の春のキャンプ。最初の週末を経て多くのチームは第1クールが終わり、最初の休日を迎えることになる。2018年の春季キャンプ。多くの報道陣が集まり、高い注目を集めたのが、松坂大輔投手の加わった中日ドラゴンズの沖縄キャンプだろう。

 キャンプインとなった1日には、約200人のメディアが訪れて熱気に包まれた。2日にはキャンプ初のブルペンに入り、捕手を立たせたままではあるが、32球の投球練習を行った。3日目には、他の投手たちとランチ特打を行い、2本の柵越えを放った。即席のサイン会も行うなど、ファンを沸かせているのは間違いない。

 ここから捕手を座らせての投球練習をスタートさせ、球数などを増やしていく。その後はフリー打撃などでバッティングピッチャーを務め、実戦登板という流れになっていくだろう。現時点で不安視された右肩に問題はなさそうで、慎重に段階を上げていっている。

 では、このまま順調に事が進んでいったとして、果たして、松坂大輔は先発ローテに入れるのだろうか。

ローテの軸になるのは又吉、大野雄、新助っ人のジー

 昨季5位に終わり、5年連続Bクラスに沈んでいる中日。まだキャンプも始まったばかりで、気が早すぎるが、2018年の先発投手候補を見てみると、絶対的な柱となる投手というと少ないものの、その候補となる投手は実は数多い。

 今季の先発ローテの軸になるのは、スターターに専念となる又吉克樹、左腕の大野雄大、そしてメジャー通算51勝の実績を誇る新助っ人のディロン・ジーの3枚だろう。又吉は昨季、リリーフと先発と役割が二転三転したが、先発すれば2桁勝利を挙げておかしくない投手。13年から3年連続2桁勝利を挙げていた大野雄は、ここ2年7勝止まり。この左腕の活躍は中日の浮上には不可欠であろう。

 そして、ジー。メッツ時代に2度の2桁勝利を経験し、メジャーで開幕投手を務めたほどの実績の持ち主。外国人投手はシーズンが始まってみないと分からないところもあるが、ジーの活躍は必須。この3人には、森繁和監督が地元テレビ局の番組内で2桁10勝の星勘定を行っており、ローテの柱となるだろう。

 これに続く有力候補となるのは、こちらも新助っ人の左腕オネルキ・ガルシア、そして昨季5勝を挙げて3年目を迎える小笠原慎之介、昨季途中から頭角を現し始めた左腕の笠原祥太郎、こちらも昨季5勝を挙げて高卒5年目となる鈴木翔太の名前が上がる。この面々が4枠目以降に入ってくるのではなかろうか。

松坂は先発6番手、7番手を争う立場か

 さらには、復活を目指す吉見一起、中継ぎも出来るベテランの山井大介の2人もおり、昨季ウエスタンリーグ最優秀防御率、最高勝率の阿知羅拓馬、2015年に2桁10勝を挙げた若松駿太なども控えている。実績だけでいけば、松坂は群を抜くが、ソフトバンクでの3年間はわずか1試合だけの登板だけに終わっており、現実的に言えば6番手、7番手を競争する立場となるだろう。

 森監督は前述の地元テレビ局の番組内で、松坂を先発で起用することを明言しており、中継ぎでの起用はなさそう。右肩への影響も考慮して、登板間隔に余裕を持たせるために、同じく故障歴のある吉見らとともに登板と登録抹消を活用して併用するのも1つの策として考えられるだろう。

 焦ることなく、慎重に段階を進めていっている松坂。まだキャンプも、中日は5日が第1クール最終日。ここから各投手が様々なステップを踏む必要があり、全員が万全に事が進むかは分からない。それは松坂も然り。まずは、順調に調整を進めていってほしいもの。そして、その動向に注目しているファンにもあれこれと考える楽しみを与えてもらいたいものである。

(Full-Count編集部)

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