子どもの性教育 どう話すか 長崎で講習会 「はぐらかさず真剣に」 

 長崎市万屋町の布なぷきん・布おむつ専門店「りぼん」(大原万里亜代表)は、女性や子どもの心と体について気軽に学ぶ場をつくろうと、昨年10月から月1回程度講習会「おんなの子の学校」を同店で開いている。「子どもの性教育」をテーマにした1月末の会をのぞいた。

 「子どもから『僕(私)、どうやって生まれたの?』と聞かれたときが、性教育のタイミングです」。講師で同市銅座町で開業する婦人科医、安日泰子さん(64)は「どう話すべきか分からなくても、はぐらかさないでほしい」と続けた。

 参加したのは母親ら十数人。性交を具体的に語るのは難しいが「子どもは、大人が真剣に対応するかどうかを見ている」という。「勃起は、精子を乾燥させず卵子に最も近いところへ届けるため」「性器は大切だから人に見せてはいけない」など肯定的なイメージを伝えてほしいと語った。

 望まない妊娠や性病について相談を受けた場合、まず検査を受け、避妊についてパートナーと話し合うことが必要だと話した。子どもと直接話しづらければ「あっ!そうなんだ!性と生」(エイデル研究所)など分かりやすく書かれた本を自宅に置くことも勧める。

 中高生が性に悩む場合、半数以上がインターネット上の掲示板を頼りにするという厚生労働省の調査(2016年度)を紹介し「ネットには、間違った性の情報が氾濫している」と注意を促した。

 無料通信アプリLINE(ライン)など会員制交流サイト(SNS)でのトラブルにも警鐘を鳴らした。▽胸や性器の写真送信などを要求されたら「嫌だ」と明確な意志を示す▽個人情報をむやみに流出しない▽トラブルは専門機関に相談する-などと呼び掛けた。

 次回は、8日午後7時から、長崎市万屋町でヨガ教室を開く井上清子さんが「女性のための心と体」について語る。参加費千円。

「性について子どもと真剣に話したら、あとは子どもを信用してほしい」と語る安日さん=長崎市、りぼん

© 株式会社長崎新聞社