登山客癒やす湯、人気 秦野市営2温浴施設 「相乗効果で入館者増へ」

 秦野市営の新旧二つの温浴施設「弘法の里湯」(同市鶴巻北)と「名水はだの富士見の湯」(同市曽屋)が好調だ。弘法の里湯は2001年10月の開館以来の入館者が250万人を超え、昨年10月にオープンしたばかりの富士見の湯も入館者数が当初より20%増。両施設は「(登山客が多い)弘法山をはさみ東西にあるので、協力して入館者を増やしたい」と意気込んでいる。

  弘法の里湯は小田急線鶴巻温泉駅近くにある温泉施設。オープン以来の年間入館者のピークは03年度の17万8740人だったが、徐々に低迷し10年度は13万9426人まで減った。11年のリニューアルを機に増加傾向に転じ、16年度は16万20人にまで人気が回復するなど、多くの人に愛され続けてきた。同施設は「丹沢・大山登山の人気上昇や高齢者向けの割引拡充などの効果が出た」と分析する。

 一方、富士見の湯は小田急線秦野駅から徒歩約20分の距離にあり、同駅から無料バスが運行されている。ごみ焼却施設の地元対策の一環で、約6億7千万円かけて整備された。富士山が一望できる露天風呂が自慢だが、井戸から引いた「秦野名水」を温めて使っているため、温泉施設ではない。

 見込んできた年間入場者数は9万4千人。毎月当たりの入場者数は7千〜8千人とみてきたが、昨年10月、11月は悪天候や知名度不足も響き、5千人ほどにとどまった。

 そこで、施設裏の弘法山でビラを配り登山客へのPRを強化したほか、秦野駅からの無料バスの便数も増やした。1月中旬からは利用の少ない夜間の割引を始めた。鈴木秀行館長は「対策が奏功し、12月は5500人、今年1月は6100人と増加。目標達成が見えてきた」と喜ぶ。

 弘法の里湯の飯沼和彦総支配人は「同じ市営温浴施設なので、秦野駅方面から弘法山に登った人はこちらを、逆に鶴巻温泉駅から登った人は富士見の湯を利用してもらい、相乗効果で入館者増に取り組みたい」と話している。

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