大同特殊鋼など3社共同、ものづくり日本大賞「経産大臣賞」を受賞 重希土類フリーのネオジム磁石開発で

 大同特殊鋼(社長・石黒武氏)、ダイドー電子(大同特殊鋼の完全子会社、社長・稲垣佳夫氏)、本田技術研究所(本田技研工業の完全子会社、社長・松本宜之氏)の3社は5日、「世界初、重希土類完全フリー・ハイブリッド車用熱間加工ネオジム磁石および駆動モーターの開発」の業績により「第7回ものづくり日本大賞・経済産業大臣賞」を受賞し、同日表彰式で表彰されたと発表した。

 3社による素材の技術革新が評価されたことに加え、開発が重希土類元素の資源リスクを回避し、調達ルートの多様化にもつながった。

 今回、独自の熱間加工法により高保磁力、高耐熱性を有する重希土類完全フリーのネオジム磁石を開発し、世界で初めて量産化を実現したことや、駆動時の磁石への負荷を軽減するモーター設計の技術的要素により、従来と同等性能のハイブリッド車用駆動モーターを重希土類完全フリー磁石で実現したことが評価された。

 受賞者は、宮脇寛氏(大同特殊鋼)、及川貴司氏(ダイドー電子)、服部篤氏(ダイドー電子)、加藤龍太郎氏(本田技術研究所)、清水治彦氏(本田技術研究所)、相馬慎吾氏(本田技術研究所)、中澤義行氏(本田技術研究所)。

 同技術は、ホンダのハイブリッド車であるFREED(フリード)やFIT(フィット)、などの各ハイブリッド車に搭載されているほか、今後も車種を拡大していく予定。

 ものづくり日本大賞は、日本の「ものづくり」を継承、発展させるために、製造・生産現場の中堅人材や熟練人材、若年人材などのうち、特に優秀と認められる人材を顕彰する制度。経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省の4省が連携し、隔年で開催している。

© 株式会社鉄鋼新聞社