アルコニックスグループ・精密研削加工の大羽精研、新工場が竣工 半導体実装機・車用精密部品増産

 アルコニックスグループの製造子会社で、精密研削加工などを手掛ける大羽精研(本社・愛知県豊橋市、社長・尾崎幸一氏)は半導体実装機(チップマウンター)、自動車用精密部品の加工、組み立て能力増強に向けた基盤整備を完了した。かねてから建設を進めていた新工場棟が完成。設備の新設、移設を進めて来月から組み立て工程を、年内をめどに加工をスタートして需要対応力を高め、さらなる受注アップを目指す考えだ。

 近年半導体製造装置需要が増加する中、大羽精機が手掛ける高精度チップマウンター部品にはかねてから多くの引き合いが寄せられていた。自動車向け精密部品のニーズも拡大傾向にあり、将来的に生産能力が不足すると予想されたことから、本社敷地内に工場棟を新設した。

 2階建ての新工場棟は延べ床面積が2448平方メートル。振動を防いでミクロン単位の精度を実現するため、1階部分に機械加工機能を持たせ、2階で組み立てなどを行う計画。工場建屋への投資金額は約4億7千万円。

 各工程のうち、組み立ては現在B棟内「B3、B4」工場にある仕掛品などの大部分を新棟へ移した上で、3月からチップマウンター部品の生産をスタートする。

 加工部門は既存設備の稼働率が高く早急な移設が難しいこと、新設する工作機械の納期が延びていることを考慮し、設備を段階的に導入。年内をめどに自動車部品などの加工を始める方針だ。向こう3年間で約15億円を投じマシニングセンタ、研削盤、旋盤などを新規設置する。

 5日には正木英逸アルコニックス社長が出席の下で新工場竣工式を開催、尾崎社長、来賓を代表して富士機械製造の須原信介取締役専務執行役員がそれぞれ挨拶し、出席した40人超が安全操業を祈願した。

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