豪州SC:大ベテランが自らの名を冠した『オートバーン・ラウンズ・レーシング』創設

 VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2018年シーズンに向け、26台のフルグリッドエントリーが確定。17年まで『チーム・ボルテックス』のエントリー名で参戦してきた大ベテラン、クレイグ・ラウンズが自らの名を冠した新チーム『オートバーン・ラウンズ・レーシング』を創設。新たなカラーリングをお披露目した。

 石油・潤滑油メーカーであるカルテックスのスポンサード契約を受け、その高級潤滑油ブランドのボルテックスをチーム名に掲げて参戦してきたラウンズは、その契約満了を受け新たに自動車関連用品小売業のオートバーンとの2年契約を締結。

 レッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のサテライトとして、トリプルエイト・レースエンジニアリングがオペレーションする3台目のマシン参戦名称を『オートバーン・ラウンズ・レーシング』とし、オーストラリア・ブリスベンにあるローガン・シティのオートバーン新店舗で、新型ホールデン・コモドアZBと新カラーリングのラウンチイベントを行った。

「今夜は新カラーリングとニューマシンをアンベイルできただけでなく、我々の新たなチーム名『オートバーン・ラウンズ・レーシング』を発表できて、とても興奮している」と、3度のシリーズチャンピオン獲得経験を持つラウンズ。

「2018年はGen2規定の新型モデルに切り替わる節目の年でもあり、このオフシーズンにチームはその膨大な作業をこなしてニューマシンをデリバリーする仕事に懸命に取り組んできた。新シーズンを前にして、この新しい(5ドアHBの)ボディ形状と新鮮なカラーリングにワクワクしているよ」

 昨年11月には、まだ正式ホモローゲーション取得前のコモドアZBで20周ほどのテストラップをこなしているラウンズは、ハッチバックを採用するリヤの視界に関しては「これまでとまったく異なっている」と明かした。

「開幕から数戦は、バトルになった際に違和感を感じるかもしれない。でも、それもシーズンを経るごとに自然と解消されていくはずだ」

 ラウンズの次のテスト機会は、2月9日に予定されているトリプルエイトのプライベートセッションとなり、ここで新型コモドアZBの888号車をシェイクダウン。

 その1週間後にはシドニー・モータースポーツパークでの公式プレシーズンテストが予定され、さらに3週間後にはアデレードでの開幕戦(クリップサル500)が控えている。

 17年シーズンの最終戦ニューキャッスルではリタイアに終わり、シリーズランキングでも10位に留まったラウンズは、トリプルエイトに所属して以降初めて、無勝利でシーズンを終えている。

「昨年の開幕戦アデレードでは、僕らのマシンに十分な速さと戦闘力がなかったのは事実だ」と振り返ったラウンズ。

「ワークショップのメンバーも、クルマが戻って来てからというもの24時間体制で休みなくマシンの改善を続けてくれた。その精神はこの新型モデルにも受け継がれている。開幕戦の現地に向かい、このクルマに乗ってどんなことができるか。その瞬間が今から待ち遠しいよ」

 また、17年シーズンで実に7名のドライバーを走らせたルーカス・ダンブレル・モータースポーツ(LDM)は、新たに『23Red Racing』に改称。北米の工作機器メーカーのミルウォーキー・ツールズとスポンサー契約を結び、昨年までテクノ・オートスポーツに所属していた2016年バサースト1000勝者のウィル・デイビソンを起用すると発表した。

 そのデイビソンが抜けたテクノのシートには、昨季までサポートカテゴリーのダンロップ・スーパー2にニッサン陣営から参戦していたジャック・ルブロークが昇格。

 タイトル争いのフロントランナーとなったトップチームのDJRチーム・ペンスキー(シェルVパワー・レーシング)、トリプルエイト(RBRA)の都合5台は不動で、今季からウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドに生まれ変わったHRTも、ジェームス・コートニー、スコット・パイのラインアップを維持する。

 またトッド・ケリーが引退を決めたケリー・レーシング(ニッサン・モータースポーツ)は、既報の通りアンドレ・ハイムガートナーを起用。2018年のグリッドにはリッチー・スタナウェイ(ティックフォード・レーシング)、ジェームス・ゴールディン(ギャリー・ロジャース・モータースポーツ)、アントン・デ・パスカーレ(エレバス・モータースポーツ)、そしてスーパー2王者のトッド・ヘイゼルウッド(マット・ストーン・レーシング)の5名のルーキーが並ぶこととなる。

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