「マイブーム」元祖が全部見せた!

 川崎市市民ミュージアムで開かれている「みうらじゅんフェス! マイブームの全貌展」を見てきた。「マイブーム」という言葉を広めたみうらさんが、小学生時代から還暦になった今年まで、その時その時に夢中だったマイブームを振り返る大展覧会だ。

 「全部ご覧になると3時間はかかりますよ」と館の人に言われ、「大げさでしょ」と思った自分が間違っていた。小学生のころの「怪獣ブーム」「仏像ブーム」「漫画家ブーム」から始まり、思春期の「フォークシンガーブーム」、イラストレーターとしての評判を高めた「ウシブーム」と続き(この辺までが第1部)、第2部は、みんながよく知る「ゆるキャラ」や、各地のさえない土産物を集めた「いやげ物」など、大人になってからの収集品や作品へとつながっていく。

 一つのことに「凝る」、好きなものを「集める」、そしてみんなに「喜んでもらう」。これらにかける情熱が小学生の頃から尋常でなかったことは、昔の作文や漫画、(仏像などの)スクラップによく出ている。

子ども時代の仏像スクラップ(1969-1971年)

 

 子どもの頃のマイブームが、ずうっと続いていることも発見だった。みうらさんの「仏像ブーム」は、子どもの頃から今までずっとハンパではない。本人自身が館内のビデオで〝勉強はできなかったが(仏教系の)中学に入れたのは、それまでに作った仏像のスクラップを面接官に見せて驚かせたから〟と話しているが、一生懸命作ったスクラップブックを会場で見ると、そのエピソードにも納得だ。

 個人的に一番笑ったのは、最後の「はかせたろう」コーナー。バイオリンでも聴けるのかと思うと…。

 観客はみんな、にやにや、にこにこ。駅から遠くいつもはがらんとしている美術館なのだが、けっこうな人でにぎわっていた。老若男女、家族連れにもお勧めのイベント。

 3月25日まで開催。休館日は2月13、19、26日、3月5、12、19、22日。開館は9:30~17:00。問い合わせは、電話044(754)4500まで。 (共同通信エンタメデスク 宇野隆哉)

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