ボーイング社が無人空輸カーゴの試作モデルを発表 米国シカゴ、1月10日。米国ボーイング社(NYSE:BA)は、VTOL(垂直離着陸)型の無人空輸カーゴのプロトタイプを発表した。500ポンドの積載量を目指して設計されている。

3ヶ月でプロトタイプの設計から試験飛行を実現

ボーイング社

 Boeing Research&Technology(ボーイング・リサーチ・アンド・テクノロジー)のパートナーであるボーイング・ホライゾンXは、昨年末にボーイング社に買収されたオーロラ・フライト・サイエンス社が開発したeVTOL(電動VTOL)の試作機をベースにしてカーゴ型UAV(CAV)のプロトタイプを開発した。ボーイング社の発表資料によれば、試作モデルの設計から試験飛行までは3ヶ月という短期間で実現している。同社のエンジニアと技術スタッフがCAVのプロトタイプを設計し、ミズーリ州にあるBoeing Research&Technologyで最初の飛行試験を成功させた。ボーイングの研究者は、このプロトタイプを飛行テストベッドとして使用し、将来の用途に向けた自律飛行などのテクノロジを成熟させていく計画。
 ボーイングの最高技術責任者(COO)であるグレッグ・ヒープロップ氏(Greg Hyslop)は「この飛行貨物航空機は、ボーイングのeVTOL戦略のもう1つの重要なステップです。私たちは、航空機の旅と輸送を本当に変える機会を得ており、実験の成功は大きな一歩です」と話す。また、ボーイング・ホライゾンX副社長のスティーブ・ノードランド氏(Steve Nordlund)は「当社の新しいカーゴ型UAVのプロトタイプは、ボーイングの既存の無人システムの能力を基盤にしており、自律貨物配送、物流およびその他の輸送アプリケーションの新しい可能性を提示しています」と述べた。
 環境に配慮した電気推進システムを搭載したCAVのプロトタイプには、垂直飛行を可能にする8つのカウンター回転ブレードが装備されている。サイズは15フィート(4.57メートル)、幅18フィート(5.49メートル)、高さ4フィート(1.22メートル)、重量749ポンド(339キロ)になる。

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