横浜市、センター南駅でパスポート発給へ 来秋設置で県と調整 横浜市緑区

市営地下鉄センター南駅=3日撮影

 横浜市(林文子市長)と神奈川県(黒岩祐治知事)はこのほど、市営地下鉄センター南駅構内にパスポートセンターを新設することを発表した。県からの権限移譲を受け、市は来秋から旅券発給窓口の運用を開始する予定。

 パスポートの申請・受取に関し、横浜市内には中区の産業貿易センターに県の本所が設置されているのみ。

 16年度、市内全域では約17万人がパスポートを申請。その内、都筑・青葉・緑・港北の北部4区の申請者は3分の1にあたる5万7173人にのぼる。18区で青葉区(1万9300人)、港北区(1万8566人)、都筑区(1万2000人)の3区が申請数上位を占めている状況だ。緑区の申請は7307人。

 このように北部地域での申請件数が多い一方で、申請・受取で2回通う必要もあり市担当者によると横浜北部の市民から「(センターまで)遠い」などと不満の声も上がっていたという。 そこで昨年3月、横浜市神奈川県調整会議において、林市長が黒岩知事に旅券発給事務の権限移譲を求めた結果、早急に移譲に向けた検討を開始することで合意した。

 開設場所については、交通利便性が良く、パスポートセンターまでのアクセスや申請に必要な戸籍証明書類を取得できる区役所・行政サービスコーナーが近いこと、日曜日の開所が可能な場所の3条件を考慮し、センター南駅が選ばれた。

 新しいパスポートセンターは横浜市民のみの利用に限られる。新窓口が設置されると、市民は原則、県の窓口を利用できなくなるが、本所や川崎支所(川崎市)、県央支所(厚木市)など県の常設窓口などに関して、継続利用の方向で市は県と調整している状況だ。

 県内ではすでに、湘南パスポートセンター(藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町)、相模原市の相模大野パスポートセンターと橋本パスポートセンターの3カ所が県から権限移譲を受け、各自治体で運営している。

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