女性の産前産後のケアに関する情報交換会が3日、佐世保市保立町の清水地区公民館であり、産前産後ケア推進協会(東京)理事で佐世保市出身の助産師、濱脇文子氏が講演。「今の母親は地域と疎遠になっている。地域社会全体で支えることが必要」と訴えた。
濱脇氏は、家族の人数が多く地域の「産婆」の手助けを受け自宅出産をしていた時代から、ここ50年でお産のほとんどが病院で行われ、多くの母親が少人数の家族で育つ時代に変化したと分析した。女性が子育てを見聞きせずに母親になり、出産直後の家事や子育ても一人で背負わざるを得ない現状を指摘。「『昔は良かった』ではなく、今の時代に合わせ地域社会で子育てを支えなければならない」と呼び掛けた。
産後は心身のバランスの変化が大きく、出産後1~2カ月が最も不安になると説明。「産後うつは誰にでも起こるリスクがある」と強調し「寝る、食べるなどの基本的欲求が満たされてこそ心に余裕ができる。女性を支えるには、専門家だけでなくさまざまな人が関わることが大事だ」と話した。
情報交換会は佐世保市のNPO法人「ちいきのなかま」が開いた。子育て中の母親や助産師など24人が参加した。