1軍登板わずか4試合、鷹ドラ1右腕が抱く危機感「今年にかける思いは…」

春季キャンプでアピールするソフトバンク・加治屋蓮【写真: 福谷佑介】

2013年の“外れ外れ1位”加治屋蓮、勝負の5年目に「何としても早くA組に」

 ソフトバンクが春のキャンプを張る宮崎・生目の杜運動公園。メーン球場のアイビースタジアム、それに隣接する第二球場がある広大なキャンプ地では主力中心のA組、そして若手中心のB組が、それぞれ一斉にキャンプを行なっている。今季は少数精鋭となったA組。そこから漏れ、B組からの昇格を目指す面々は、必死のアピールにうって出ている。

 大きな期待を寄せられて2013年のドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ右腕も、その中の1人だ。加治屋蓮投手。キャンプ地・宮崎の出身。宮崎県立福島高からJR九州を経て、松井裕樹(楽天)、杉浦稔大(ヤクルト→日本ハム)の“外れ外れ1位”でソフトバンクが指名した最速152キロ右腕である。

 入団時に故障を抱えており、その後右肩痛があったこともあって、1軍デビューは2016年8月。その年は2試合の登板に終わった。昨季はウエスタンリーグで主にクローザーを務め、42試合で2勝3敗3ホールド15セーブ、防御率3.23の成績を残した一方で、1軍の登板は2試合止まりだった。

1軍投手に怪我続出「僕にとってはチャンス」

 入団5年目だが、不動の遊撃手に成長した今宮健太と同い年。今年11月には27歳を迎える。若い投手も成長を遂げ、1軍の舞台を踏んだ投手もいれば、大きな期待を寄せられている20歳前後の投手もいる。立たされている状況は決して楽観できるものではなく「1年1年危機感、自覚は強くなっています。今年にかける思いは去年の何倍も強い。B組スタートと聞いて、悔しい思いがありました。何としても早くA組にまずは上がらないといけないと思っています」と危機感も抱いている。

 キャンプ第2クール2日目の7日、この日から投手のフリー打撃登板がスタート。加治屋は早速、バッティングピッチャーとしてマウンドに上がった。左打者の明石健志には26球中、安打性は2本。特徴である“動く真っ直ぐ”でゴロを多く打たせた。右打者の今宮健太には25球で6本の安打性を許し「そこまで感じは悪くなかった。ただ、どうしても投げ急いでしまった」と振り返っていた。

 今春のキャンプは、五十嵐亮太投手がヘルニアの疑いで参加しておらず、岡本健投手も右ふくらはぎ痛でキャンプイン直前にB組スタートに。松本裕樹投手も腰痛でリタイアした。「1軍で投げていた投手が怪我をして、僕にとってはチャンス。アピール出来る期間で、持っているものを出してアピールすることが大事。自分のことをアピールすることで監督はじめ首脳陣に使ってみたいと思わせるものを出したい」。2018年は勝負の年。5年目を迎えたドラフト1位右腕は、花開かせることが出来るだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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