もう一度走る<<11>>/Yasuko Marue

手術当日はラン君に逢えなかったので

頑張ったね!

偉かったね!

ゆっくり休んでね、と何度も心の中で呼びかけていました。

12月6日

手術翌日、おやつのちゅーるを持ってラン君に逢いに行きました。

寝ていたラン君は、ちゅーるを見ると立ち上がりました。

ちゅーるは凄い!

ラン君の回復力の早さに驚きました。

面会は夕食後でしたが、ご飯が5-6粒残っていたので、ちゅーるをかけてあげると完食しました。

ラン君が立ってくれたのは嬉しいけれど足に負担がかかるので

“ラン君、寝んねしていようね”

“立っていると傷の治りが遅くなるからね”と言って背中をマッサージすると身体を横たえてくれました。

そして、傷口に触れないように全身をマッサージしてあげると気持ちよさそうに目を細めていました。

マッサージは身体だけでなく、心も癒してくれてラン君との距離が近づいているのを感じました。

先生はラン君を

根に持たないいい性格

だと誉めてくれます。

手術後、怯えて心を閉ざす子もいると思いますが

ラン君の

先生とスタッフの方への態度は変わりませんでした。

もちろん、私に対しても手術前と全く変わりませんでした。

包帯交換の時に

“ちょっと痛いことするね、ごめんね”と

先生はいつも優しく話しかけてくれたそうです。

そして、スタッフの方は処置している間ブラッシングしてくださったそうです。

こんな温もりを感じる環境がラン君の心を開いてくれたのだと思います。

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

© 1010株式会社