もう一度走る<<15>>/Yasuko Marue

クリスマスが近づいてきました。

ラン君がクリスマスを病院で過ごすのかと思うと心が痛みました。

家にいても特に何かしてあげられるわけではないけれど、ずっと外で暮らしていたラン君にクリスマス気分を味わってもらいたいと思いました。

SNSのフォロワーさんからラン君にクリスマスプレゼントが届きました。

先生に許可を頂き、ケージの壁にクリスマスのシールを貼りました。

プレゼントをお魚の形の長靴に入れてラン君の横に置き、クリスマスの説明をしましたが、ちょっと戸惑っているように見えました。

もしかしたら

“チキンがないです”って思っていたのかな?

そして記念撮影しました。

無機質なケージが明るくなりました。

Merry Christmas

手術後の体調は良く、ラン君の表情もどんどん豊かになってきました。

でも、一番深い傷は一進一退でした。

先生から年が明けたら、もう一度皮膚移植手術をするという話をラン君と一緒に聞きました。

ラン君が不安に思うと可哀想なので

“心配しなくて大丈夫だよ”

“先生にお任せしようね“

“絶対、もう一度走れるからね”

と話しました。

大晦日

2017年最後の日を病院で迎えるラン君に逢いに行きました。

お正月休みが4日までなので

“次に逢えるのは5日だよ”

“それまで、いい子でいてね”

ラン君に話した直後に

“2日に逢いに来てください”と先生が言ってくれました。

当番医なので午前中だったら面会できるとのことでした。

嬉しくて涙が溢れてきました。

すぐに

“ラン君、2日に逢えることになったよ”と伝えました。

大晦日から元日にかけ二年参りに産土神社に行きました。

ラン君を守っていただいていることの感謝報告と

もう一度走れるようにとお願いしました。

そして2018年が始まりました。

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

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