もう一度走る<<3>>/Yasuko Marue

とにかく保護して怪我を治してあげたいという感情が先走り

医療費のことを考えていませんでした。

すぐにSNSで支援のお願いをしました。

すると、たくさんの方から支援金、支援物資を送っていただけることになりました。

お会いしたこともない方が殆んどです。

ラン君に寄せられたメッセージは涙で霞んで中々読むことができませんでした。

言葉では言い表せないほど感謝の気持ちでいっぱいでした。

これで医療費の心配をしないでラン君に充分な治療を受けさせることができるとホッとしました。

入院している間毎日ラン君に逢いに行きました。

外で自由に暮らしていたラン君が、怪我をしているとは言え、小さなケージでの生活はストレスも多かったと思います。

そんなラン君の心のケアのためにバッチフラワーレメディのレスキューレメディ(緊急事態用の物ですが大きなショック、パニックなどに効果があります)とウォルナット(環境の変化に適応するため)を飲ませていただけるように先生の了解を得て預けました。

そして、エイズ検査で陽性反応が出たので免疫力を高めるためにバランスアルファというサプリメントも飲ませていただけるようにお願いしました。

エイズ検査で陽性反応が出ても発症しなければ20年近く長生きできた子を知っているので

ラン君の免疫力を高めてあげることが大事だと思いました。

入院中のラン君は誰かが見ているとご飯を食べなかったそうです。

誰も見ていないと分かると急いでご飯を食べていたというのは外で暮らしてきて習慣づいてしまったからでしょう。

ラン君に逢いに行く時には必ずちゅーると言うおやつを持って行きました。

初めてのちゅーるは想像以上に美味しかったのでしょう。

最初はちゅーるのパッケージを齧っていました。

日を重ねる毎にちゅーるを楽しみにしているのがわかりました。

何日かすると

ちゅーるを見て立ち上がりました!

嬉しかった!

ちゅーるは偉大だと思いました。

入院生活のことについてアニマルコミュニケーションで聞いてみました。

“ふかふかな所で寝られることが嬉しい”

“雨の心配をしなくていい”

とラン君は感じたそうです。

面白かったのは

“ご飯がベチャベチャ”と言ったことです。

水分をたくさん取れるように固形フードに水を含ませて与えていただいていたことが後で分かりました。

この頃のラン君は病院での生活には少しずつ慣れてきましたが、体に触れるとビクっとして固くなっていました。

ケージの隅で体を小さくして、鳴くこともなく横たわっていました。

病院では、ご飯とちゅーるだけが楽しみだったと思います。

先生とスタッフの方がいつも声をかけてくださっていたので病院の生活は満更でもなかったと思います。

入院生活が2週間を過ぎた頃、退院後のことを考え始めました。

退院したら家の環境に慣れてもらえるだろうか?

トイレトレーニングはどうしたらいいだろう?

足を怪我しているから市販のトイレは使えません。

鉱物系の細かい猫砂は包帯の間から入ったら傷に良くないので紙の砂がいいかな?

色々考えても果たしてトイレを使ってくれるかもわかりません。

外の生活では、何処でもトイレになっていたわけですから悩みました。

カラーを付けていると行動も制約されます。

ベッドは足に負担のないものを用意しよう。

その他ラン君が少しでも快適に過ごせるようにと色々考えました。

あとは退院してからラン君の様子を見ながら変えていくことにしました。

そして9月29日に退院できました。

退院後は一日おきの通院になります。

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

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