北太樹引退 「厳しさと優しさ」の親方に 激励会で決意示す 町田市

新たに「小野川親方」を襲名した北太樹を囲み笑顔を見せる後援会メンバーら=3日、ホテルラポール千寿閣

 町田市出身の元幕内力士・北太樹(35・山響部屋)が引退発表を行ったことを受け、市民を中心とする町田・北太樹後援会が3日、ホテルラポール千寿閣で激励会を開いた。新たに年寄「小野川」を襲名した北太樹は「20年間充実した力士生活ができたのは、皆さんのおかげ」と会員らへ感謝の思いを伝えた。

 水泳やサッカー、柔道が得意な少年だった北太樹(本名/讃岐 明義)。わんぱく相撲・町田場所では全国大会に出場。その身体能力の高さを見込んだ故・北の湖親方に相撲への道を示され、中学卒業後の1998年の春場所で初土俵を踏んだ。2007年には新十両に昇進し、翌年の名古屋場所で念願の初入幕を果たした。以降118場所一度も休むことなく土俵に上がり、通算成績は649勝。初の町田市出身の関取として、サルビアの花とカワセミをあしらった化粧廻しをつけ、戦い続けてきた。幕内力士としては38場所255勝で、最高位は東前頭2枚目。痛めていた股関節のけがから限界を感じた引退だった。

 長年北太樹を応援し続けた後援会メンバーらが顔を揃えた激励会では、これまでの功績に対する労いの言葉や今後の相撲界を牽引する「小野川親方」へ期待の声が上がった。小野川親方は「後援会の人たちの応援ツアーや、緑色の法被を着た町田の人たちがたくさん応援にきてくれたのがいい思い出。けがでもモチベーションを下げずにこれまでやってこれたのはその応援のおかげ。感謝の一言」と振り返り、「様々なことがある今の相撲業界。尊敬する北の湖親方の様に、厳しさと優しさと思いやりを持った親方になります」と決意を示した。後援会の平本勝哉会長は「素晴らしい取組をたくさん見せてもらった。これからも『町田・小野川親方後援会』として応援し続けていきたい」と笑顔を見せた。

 4月20日(金)に町田市立総合体育館で行われる町田場所では、小野川親方が市民へ感謝の言葉を伝える「小野川親方感謝式」を予定。町田場所の申込み・問合せはCNプレイガイド【電話】0570・08・9999へ。

© 株式会社タウンニュース社