ヴェンゲルは若手育成路線をやめたのか 浅野にも影響与えるオバメヤン&ムヒタリアン獲り

アーセナルを率いるヴェンゲル photo/Getty Images

アーセナルを指揮するアーセン・ヴェンゲルは、まだ世界的には無名の選手を巧みに成長させてトップチームの主力にしてしまうほど育成を得意とする指揮官だった。しかし、その流れは途絶えつつある。

アーセナルは今冬にピエール・エメリク・オバメヤン、そしてアレクシス・サンチェスとトレードの形でヘンリク・ムヒタリアンを加えた。この補強に驚いたサポーターもいるのではないか。オバメヤンは28歳、ムヒタリアンは29歳の選手だ。ヴェンゲルが30代目前の選手の獲得に動くケースは少なく、ましてやオバメヤンのように多額の移籍金を支払うのは非常に珍しい。

英『The Guardian』もこの動きに驚いており、ヴェンゲルの若手路線が変わり始めたと指摘している。就任当初であればパトリック・ヴィエラやティエリ・アンリなど、ビッグクラブで伸び悩んでいた若手を引き抜いてワールドクラスの選手へと成長させたケースもあったが、近年はそんなメガヒットを飛ばすこともなくなった。例えばDFカラム・チャンバースやロブ・ホールディングのように、ヴェンゲルに才能を見抜かれながらステップアップできていない選手もいる。

これはサンフレッチェ広島からアーセナルに移籍した日本代表FW浅野拓磨にも言えることだ。浅野のスピードにヴェンゲルは目をつけたが、浅野はレンタル先のシュツットガルトで出場機会確保に苦しんでいる。オバメヤンまで獲得したことを考えると、浅野がアーセナルのトップチームに呼び戻される可能性は限りなく低いと言っていいだろう。

ヴェンゲルの若手路線は崩れてしまったのか。同メディアは28歳以上の選手を2人も獲得するのは2012年の夏以来と伝えているが、この路線変更はアーセナルでのプレイが期待される浅野にも影響を与えることになりそうだ。

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