横田さん「五輪をチャンスに」 地方議会全国協議会に訴え

 北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(82)=川崎市川崎区=が8日、支援組織「救う会」の西岡力会長と県議会を訪れ、拉致問題地方議会全国協議会会長の松田良昭県議に新活動方針を説明した。早紀江さんは平昌冬季五輪での日朝政府関係者同士の接触に期待を寄せ、「家族は老齢化し一刻を争っている。一目でも会えるようにチャンスを逃さないでほしい」と訴えた。

 五輪開会式には、安倍晋三首相をはじめ金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キムヨジョン)氏らが出席するとされる。早紀江さんは「首相が何らかの形で接触して人として話し合い、『大切な子どもたちをいいかげん返してください』と伝えるチャンスだと思う」と強調した。

 松田会長との会談では、「拉致問題が許されていいのか」という怒りの声を全国で高めてほしいと要望。西岡会長は拉致問題啓発アニメ「めぐみ」の上映拡大や被害者救出運動の象徴「ブルーリボンバッジ」の着用を全国の地方議会で展開するよう求めた。松田会長は「負けないという思いを実感した。全国の仲間で共有したい」と述べた。

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