垣根超え“協業”を 堤社長、価値の創造語る 神奈川TOPセミナー

 「第9回神奈川TOPセミナー」が8日、ホテルニューグランド(横浜市中区)で開かれた。フィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸さんが講演。新たなビジネスモデルや価値の創造に向け、垣根を超えた“協業”を呼び掛けた。

 堤さんは超高齢化社会や世界の気候変動、デジタル化の進展、人工知能(AI)の活用などを説明。情報過多の中、物に満たされている一方、幸福感が薄まっているのではないかと指摘。「商品の数を多く売れば良いということから、いかに価値を客に認められるかに時代が変わっている。ネットでいつでもどこでもつながるようになり、ビジネスモデルの変革も求められている」と述べた。

 その上で、「新たな価値の創造に向け、(1社だけで未来を描かず)皆さんが一緒になって実現することが必要」と強調した。

 また、経営者に求められるリーダーシップとして、さまざまな観点から時には逆の視点に立って柔軟に物事を見ることや公平性を保つこと、「4倍速」で業務に取り組むことなどを挙げた。「激変の時代、スピードが一番大切。4倍速で取り組むには一人ではできない。チームの力が欠かせない」とアピールした。

 続いて中日ドラゴンズや東北楽天ゴールデンイーグルスなどで活躍した元プロ野球選手でスポーツコメンテーターの山崎武司さんが講演。野球人生からみた人材育成やリーダーのあり方について語った。

 同セミナーは、県内に拠点を置く企業経営者向けの講演会と経営者間の交流の場として、富士ゼロックス神奈川と神奈川政経懇話会が共催。今回は約250人が出席した。

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