鉄鋼春闘スタート、労組が一斉に要求書

 2018年の鉄鋼春闘が9日、スタートした。新日鉄住金、JFEスチールなど高炉各社をはじめ主要鉄鋼メーカーの労働組合は同日、一斉に要求書を提出、会社側との春季交渉に入った。

 新日鉄住金では午前10時から東京・丸ノ内の本社で団体交渉がスタート。新日鉄住金労働組合連合会の大森唯行会長が要求書を読み上げ、右田彰雄常務執行役員に手渡した。組合側は各製鉄所の労組トップも同席した。

 鉄鋼各社の労組は今春闘で、基幹労連の産別統一要求方針に沿って、基本賃金への財源投入(18年度、19年度各3500円)を要求。また60歳以降の就労問題に関する要求も行った。このうち新日鉄住金の労組は「65歳現役社会の実現に向けた労働環境の構築」として、制度改善・労働環境の構築を求めた。

 会社側の回答は3月14日以降の見通し。

神戸製鋼、今月いっぱい交渉見合わせ

 神戸製鋼所では10日、神戸市の神戸本社で要求提出団交が行われた。同社では今月末をめどに、品質データ改ざん問題に関する外部調査委員会の報告書がまとまる予定。このため、同社の労使は今月いっぱい、春季交渉を見合わせる。通常は要求提出後、会社回答までに3回程度の団交が行われる。

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