五輪見据え改修着手 等々力陸上競技場が「第1種競技場」へ

 川崎市は2018年度、20年東京五輪・パラリンピックに向け、7人制ラグビーや陸上の英国代表チームの事前キャンプ地となる等々力陸上競技場の改修に着手する。トラックの舗装を新しくするなど、20年春をめどに、国際大会を開催できる「第1種競技場」への復帰を目指している。18年度一般会計当初予算案に関連費約3億6560万円を計上した。

 等々力陸上競技場は08年に「日本陸上選手権」を開催するため、大規模改修で第2種競技場から第1種競技場となった。しかし、第1種競技場の構成要件となる隣接の補助陸上競技場が、基準の変更などで17年春に第3種公認から第4種になったことから、現在の第3種競技場に格下げされた。

 18年度は、陸上競技場の劣化したトラックに手を入れる。新しく全天候型のウレタン製を敷き、レーン幅も現在の1250ミリから1220ミリに変更する。これまでなかったラグビーのゴールを立てるための基礎をはじめ、投てきサークルにはパラリンピックの競技者が使用する際に固定するための金具を設置するという。工事の予定は18年12月〜19年3月。

 さらに、19年には老朽化が激しい補助陸上競技場の整備も進める。第3種競技場に戻すため、直線走路を現在の6から8レーンへと移行するほか、トラックも全面的に刷新する。20年春に第3種競技場の公認を得る予定で、メインの等々力陸上競技場も「第1種競技場」に返り咲く見込みだ。

 担当者は「英国代表には直前の合宿を通じ、本番で良い結果に結び付けてほしい。新しくした競技場を、多くの方に利用してもらいたい」と話し、有形無形のレガシーが残りそうだ。

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