関門差し止め訴訟 営農2社が取り下げ 

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門差し止め訴訟で、原告団に加わっていた農業生産法人2社は9日、訴えの全てを取り下げるとした文書を福岡高裁に送付した。

 2社は干拓農地に入植するマツオファーム(松尾公春社長)とグリーンファーム(勝田考政社長)。1月末、同事業で造成された調整池に飛来する野鳥によって農作物に食害を被ったとして、長崎県農業振興公社などを相手に損害賠償請求訴訟を長崎地裁に起こした。

 松尾社長は「県公社などの要請に応じ、原告団に入っていたが、長年、食害対策や農地改良に無策だった県公社などの姿勢を問う」と主張。今後、開門派との連携を視野に同事業の在り方をただす。

 開門差し止め訴訟の原告は昨年4月の長崎地裁判決時、453の個人・法人。その後、開門派が国の判断に影響されずに控訴できる「独立当事者参加」を申し立て、福岡高裁で審理中。

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