スカジャン「発祥の地」 ドブ板商店街が名乗り 横須賀市

ブームに左右されることなくスカジャンを販売し続けている専門店がドブ板にはいくつもある

 スカジャンの元祖は横須賀・ドブ板通り─。

 スカジャン製作・販売の店舗が居並ぶドブ板通り商店街が2月12日(祝)、「発祥の地」を宣言するイベントを行う。上地克明横須賀市長、小泉進次郎代議士らが愛用のスカジャンを身にまとって名乗りを上げる。

 会場となるドブ板通りのイベント広場では、スカジャンの販売を行うほか、記念撮影スポットも設ける。

 若い世代を中心に人気再燃中のスカジャン。ルーツを明かすことで、”ご当地ファッション”としての認知度を高める狙いだ。開始時間は正午。

 国道16号沿い。派手な刺繍が縫い付けられたいくつものカラフルなジャンパーが店舗のガラス窓から覗ける。オーダースカジャンの専門店として全国に名を知られる「ファースト商会」の松坂良一さん。85歳の今も刺繍職人として店に立つ。スカジャンの栄枯盛衰を見続けてきたドブ板のレジェンドのひとりだ。

 「元々は米兵の土産物。ベースボールジャケットなどに富士山や五重塔などの刺繍を頼まれたのが始まり。50〜60年代の話かな」と松坂さん。ニーズに応えて商品化すると飛ぶように売れた。スーベニア(土産物屋)を営んでいた松坂さんも見よう見まねで刺繍と縫製の技術を習得し、商売を軌道に乗せた。

「栄枯盛衰見てきた」

ファースト商会 松坂さん

 ファッションには波がある。スカジャンとて例外ではない。70年代なると米兵が姿を消し一旦は下火となったが、日本の若者に人気沸騰。不良ファッションの代名詞となった。当時、暴走族からの注文もたくさんあったが、松坂さんは頑なに断ったという。

 その後は80年代のアメカジ・古着ブームで注目を浴び、昨今の復活は女性に広がっているのが特徴となっている。

 「自分だけの一着を求めて全国から注文が入る。できる限り応えたい。それが生きがいでもある」と松坂さんは笑顔を見せた。
 

刺繍を施す前の絵柄。針と糸で立体感を出していく

© 株式会社タウンニュース社