もう一度走る<<19>>/Yasuko Marue

ラン君を保護したのは2017年9月6日です。

出逢ってから5ヶ月

2度目の入院生活が2ヶ月を過ぎると

色々なことがわかってきました。

優しい性格だということはアニマルコミュニケーションで

聞いていました。

でも、最初の頃は

毎日

フーッ!

シャーッ!と威嚇され

猫パンチをもらっていたので

ラン君の優しさに気づく余裕がありませんでした。

でも

時間の流れがラン君との距離を縮めて

ラン君のいい所がたくさん見えてきました。

とても大らかで

いい意味でマイペース

学習能力が高い

人に対して気遣いができる

と書いてもわからないですね。

ケージの中のトイレシートを片付ける時に

邪魔にならないように動くそうです。

先生から聞いて驚きました。

ゆっくりですが傷も癒えてきましたが

右後ろ足の傷は深く

関節を挟み上下に渡っていました。

最初の診察では右後ろ足を伸ばすことはできないでしょう

と言われました。

でも

その足で耳を掻く真似をするようになりました。

右後ろ足を思うように動かせることは

ラン君にも

私にも

本当に嬉しいことです。

神経や腱が繋がっているということですから。

1月中は耳を掻く真似でした。

カラーを着けているので実際には耳を掻くことはできません。

それでも、ラン君が耳を掻く真似をしていると嬉しくなりました。

2月5日

ついに

右後ろ足で首を掻きました!

今までは宙を掻くように足を動かしていましたが

ちゃんと首を掻いていました。

怪我をしていなければ

普通ににできることが

5ヶ月目に

できるようになりました。

嬉しくて

“おめでとう!”

“よかったね!”と言いながら

何度も

ラン君の頭を撫でました。

SNSにその時の動画を載せると

たくさんの方が我が事のように喜んで

コメントを寄せてくれました。

面会に行くとラン君に寄せられたコメントを

読んで聞いてもらっています。

ラン君が頑張れるのは見えない力のお陰です。

ラン君も

私も

ひとりだったら

頑張ることができなかったと思います。

たくさんの方がラン君の回復を願って

応援してくださっているから頑張ることができました。

変化はまだありました。

ケージの隅っこで体を小さくしていたのが嘘のように

身を乗り出してケージから落ちそうなくらい入り口

ギリギリにいることが多くなりました。

そして

お腹を見せて

甘えてくれるようになりました。

私が押さえていなかったらラン君はケージから落ちてしまいます。

ラン君が私を信頼してくれていると感じました。

背中を見せることも多くなりました。

背中を向けられると寂しいですが

安心しているからと思うと嬉しくなります。

ラン君は私が逢いに行くと可愛い鳴き声で迎えてくれます。

先生やスタッフの方にも甘えて鳴くことはあっても

私に甘える時とは様子が違うようです。

“ボクは甘えん坊じゃないよ”っていうような表情をするそうです。

“ラン君はツンデレですね”と言われて

私の顔はほころんでいたと思います。

病院を出てから

何度も心の中で

ツンデレ

ツンデレ

と繰り返してました。

そして

また

嬉しいことが

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

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