宝石や道具、資源にも 市博物館で鉱物企画展

 地球の体積の8割以上を占めるとされ、美しい宝石や道具、工業的な資源として活用される鉱物について、寄贈品を中心に紹介する企画展「美しき鉱物たちの謎」が27日まで、平塚市博物館(同市浅間町)で開かれている。同館初公開の珍しい石や、近隣の河川流域で見つかるものなど、100点以上の石が色鮮やかな輝きを放っている。入場無料。

 同館が資料として保管している鉱石のうち、初公開されたのは緑柱石の中に並ぶ透明なゴシェナイト。さまざまな物質が入ることで青(アクアマリン)や緑(エメラルド)に色を変え、それぞれ宝石として評価される。旧ザイール共和国産のリン銅ウラン石は、いまだに放射線を放つ。

 約500万年前に関東山地に丹沢山地が衝突した影響から周辺流域で見られる石として、愛川町の相模川河岸にある約250万年前の地層から発見された赤黒いザクロ石(ガーネット)などを紹介している。

 また交流電圧をかけると一定の周期で振動する性質を時計に用いた水晶や、摩耗に強く時計の軸受けなどに利用される人工ルビーなど、鉱石と生活との関わりも伝える。担当者は「宝石として目で見る美しさもあるが、暮らしを陰で支える役割も果たしている。そんな面白さを感じてほしい」と話していた。

 会場を訪れていた城田璃奈さん(27)は、名前の1字に使われている瑠璃(ラピスラズリ)に関心を寄せ「色がきれい。私のテーマカラーにしたい」と眺めていた。

 午前9時〜午後5時。19、26日は休館。問い合わせは、同館電話0463(33)5111。

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