WEC参戦で超ハード日程に挑むアロンソ、19年以降には再びインディ500参戦も?【F1オフシーズンニュース5選】

 平昌オリンピックが25日に終わると、翌日からいよいよF1合同テストが始まる。その前にこのオフ流れたニュースをF1ジャーナリストの今宮純氏が5つ選抜、ひと言“私見コメント”を交え紹介する。 

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☆こうしてみたらどうか、“グリッドガールWITHキッズ”

 サッカーでもテニスでも試合開始前に、選手と手をつないだキッズがピッチ(コート)に現れる。未来のプレイヤーを夢見る彼らには一生の思い出になるだろう。

 F1もこれにならうべきと個人的に以前から思っていた。物議をかもした“グリッドガール全廃案”の騒動を受け、矛先を変えようとFIAとF1は先日あらためて“グリッドキッズ案”を打ち出した。賛成です。

 ならばいっそのこと、キッズたちをエスコートする大役をグリッドガールのお姉さまに努めてもらうのはどうか。ドライバーとスリーショットは目新しく、インスタ映えするのでは。他のプロスポーツにはないF1だけの演出になるだろう。

☆コクピット保護システム“ハロ”活用新案、ドライバー表情を映す内蔵カメラを埋め込む

 どう見てもカッコいいわけはないが“ハロ仮面”をかぶったF1は出現する。いまさら賛否両論を言ってもしょうがない。ならばあの強固で頑丈な刑務所の鉄格子状のモノを、頭部保護装置以外に活用したらどうか。

 中央部に内蔵小型カメラを装着、前方コースではなくドライバーの顔面にフォーカスしレース中の表情をアップで。コーナーでGに耐えながらときには怒り、笑い、涙する表情をリアルに映し出す。

 さらに画像処理によって心拍数、脈拍、血圧、呼吸数など生体データもインサート。レーサーの戦うアスリート性がはっきり認識できるだろう。いままで誰も見たことがなかった競技中の素顔をハロ・カメラがスクープ。

☆先出し競う、ニューマシン発表・熱戦レース

「トヨタを選んでくれてありがとう」豊田社長コメントは、昨年マクラーレン・ホンダF1で走ったフェルナンド・アロンソが今年はWECトヨタでフル参戦を決意したことへのエール。既報のようにアロンソはF1を含めた今シーズン、実に26戦を走る。3月開幕後レースに出ないのは10週末だけ、この超超ハード日程に挑む姿勢と決意にはおそれいる。

 そこまでル・マンにこだわる彼にトヨタ社は莫大なレギュラー契約金を提示したのか。さらに想像をたくましくするなら、インディ・シリーズは19年以降の新エンジン規定を模索中だ。

 LMP1クラスに参戦するマニュファクチャラーがトヨタしかいない現状で、もしトヨタがWECを辞めるとしたら、サーキット・レーシング活動の選択肢に再びインディが上がるのではないか(豊田社長は自分がいる間は絶対F1はやらないと断言)

 40歳近くなったアロンソが、かつてF1から転向したエマーソン・フィティパルディとメルセデスが突如席巻したように、長期プランでル・マンとインディ500の二冠をトヨタで成就?……三大レース・三冠王アロンソの未来夢。

☆追想・“F1戦友”だった有賀さつき氏を悼む
 突然の訃報だった。新人女子アナのころ、F1番組を通じていろいろ勉強させてもらった。あのころフジテレビは元気いっぱい、海外ブラジルGP現地中継に有賀さんがやって来た時のこと。突然ロケバス移動の車内で森脇さんに「エフワンすごくお詳しいのですね」と一言。スタッフは凍りつき、森脇先輩はムッとした。天真爛漫な彼女は他意もなくそう言い、その後平謝り。

 彼女のアナウンス能力はプロ中のプロだった。毎日夜にOAされる4分くらいの“F1ミニ帯番組”で一緒になり、まとめてスタジオ収録があった。僕がNGを何度出しても全く同じトーンで台本のまま繰り返し、発声も滑舌も素人の僕につき合ってくれた。

 チャラい女子アナと少し思っていたのを恥じた。イメージは変わった。ちなみに「旧中山道を“いちにちじゅうやまみち」と言ったという”有賀伝説“は嘘です。レーサーになりたいと思ったこともあったと言う。――『F1戦友』を悼む。

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