荻窪駅前から商店が建ち並ぶ教会通りをしばらく行くと、見えてくるのが「PATISSERIE DE L'ABEILLE(パティスリー ドゥ ラベイユ)」。昨年12月にオープンしたばかりの洋菓子店です。GINZA SIXなどにも店を構える地元のハチミツ専門店「L’ABEILLE(ラベイユ)」の運営で、砂糖と人工甘味料一切不使用の、はちみつを使った焼菓子や生菓子を販売しています。平日も訪れる人が絶えない人気店です。
黒を基調とした、まるでフランスの街角にあるお店のようなシックでオシャレな雰囲気の外観に胸が躍ります。中に入ると、焼きたてのショーソンオポム(アップルパイ)とハチミツの甘い香りに包まれます。窓から優しい光が差し込む店内には、青い花が描かれたタイル張りの床に、落ち着いたダークブラウンの木製のテーブルや棚が据え付けられ、美味しそうな焼菓子や生菓子がずらり。棚の天板は暗い色合いの大理石が使われており、高級感が漂っています。奥の厨房はガラス張りで、シェフのスイーツ作りの様子をついつい眺めてしまいます。
一番の人気商品は、「ショーソンオポム」(378円)。中には、スペイン産リンゴのハチミツで煮込んだふじがたくさん入っています。シャクシャクとしたリンゴの食感と、ハチミツの持つ焼きリンゴのような香りとコクのある甘みが楽しめます。「フィナンシェ・オ・ミエル・ナチュール」(324円)は、カラメルのような香ばしさと濃厚な甘味が魅力のスペイン産森のはちみつと、スタンダードな味わいのハンガリー産アカシアを使いました。焼きたてはとくに、森のはちみつの複雑で濃厚な香りと甘みが楽しめ、ハチミツ好きにはオススメの一品です。
生菓子の人気商品は、シューパリジャン(378円)。ハンガリー産アカシアを、シュー生地や中のカスタードと生クリームにたっぷり使っています。サクサクとしたパイ生地にたっぷり詰まったクリームからは、アカシアの優しい香りが広がります。イチゴのおいしいシーズンにぜひ食べてほしいのが、フレジェ(864円)。ハンガリー産アカシアを使って甘味を出したバタークリームには、キルシュ(サクランボのブランデー)を効かせ、空気を多く含ませているので、とっても軽くてさわやかな味わいです。アーモンドスポンジにもスペイン産ラベンダーのハチミツシロップを含ませてあり、花畑のような香りが楽しめます。
スタンダードなアカシアの風味では満足しない、ハチミツ好きにぜひオススメしたいのが、ムースオミエル(648円)。ラベイユ本店で販売され、大人気だった「荻窪ロール」(2017年11月末販売終了)の〝進化〟版で、ハンガリー産アカシアのクリームの周りに、フランス産プロヴァンスを使ったムース、アカシアを使ったイタリアンメレンゲを重ねたハチミツ尽くしのロールケーキです。食べたとたん、花園のようなハーブ感が特徴のプロヴァンスの香りと甘味が口いっぱいに広がり、アカシアのしっとりとした味わいが優しく包んでくれます。ハチミツの魅力がいっぱい詰まったケーキです。
ハチミツを使ったスイーツ作りは、生地が膨らみにくかったり、崩れやすかったり、風味のバランスを調整しなければいけなかったりとなかなか難しいものですが、専門店のノウハウを生かしてさまざまなハチミツを使い、試作を重ねたそうです。店内の商品にはすべて、使われたハチミツが明記されているので、お気に入りを見つけてくださいね。
ちなみに、店から駅への道中には、世界10カ国約80種のハチミツを扱う「ラベイユ本店」もあります。ハチミツのほか、ハチミツのお酒、ナッツやレモンのハチミツ漬け、ジャム、ドリンクといったハチミツ加工品も販売されており、すべての商品をテイスティングできます。また、一部の商品は量り売りもしており、瓶を持ち込めばお買い得な値段で詰めてくれます。パティスリー ドゥ ラベイユのお気に入りのお菓子に使われているハチミツをこちらでゲットして、自宅でトーストやミルク、料理と一緒に楽しむこともできますよ。
【パティスリー ドゥ ラベイユ】
所在地:東京都杉並区天沼3-6-25
時間:10:00〜19:00
03-3392-8022
【ラベイユ荻窪本店】
所在地:東京都杉並区天沼3-27-9
時間:10:00 ~ 19:00
03-3398-1778