もう一度走る<<20>>/Yasuko Marue

ラン君に逢いに行くたびに

今日はどんなことが起こるのかな?とワクワクします。

たとえ小さなことでも

今までできなかったことができると

本当に嬉しいです。

言葉を話せないから

表情や仕草で感情を読み取るようにしています。

当たっているかは定かではありません。

片手でスマホを持ちながら

別の手をラン君の顔の下に置いていると

ラン君が私の手にタッチしてくれました。

それも2回

言葉以上に想いを伝えてくれたタッチに動画の中の私の声はデレデレでした。

私の記憶に刻まれた一コマです。

2月8日

入院生活は刺激が少ないと思い、猫じゃらしを持って行きました。

家にいた時は猫じゃらしを振っても全く興味を示しませんでした。

以前保護した子猫も同様でした。

その時は保護してすぐだったので目が見えないのでは?と思い診察を受けました。

視力に問題はありませんでした。

外での生活で遊びを経験したことがなかったからでした。

最近のラン君は色々なことに興味を示すようになったので、そろそろいい時期だと思いました。

この日は

猫じゃらしを舐めたり齧ったりするぐらいでしたが、それでも以前のことを思えば手応えがあって嬉しかった!

そして翌日

両手を使って猫じゃらしを口に持っていきました!

でも、カラーが邪魔してラン君が思っているようには遊べないように感じました。

早くカラーのない生活をさせてあげたい。

普通ということが

どれほどありがたいか知っています。

私は一時期、ほんの数ヶ月ですが激痛のため歩行困難になりました。

それまで歩けることを当たり前だと思っていたけれど

再び以前のように歩けるようになった時

ゴミ出しに行けたことが本当に嬉しかったことを覚えています。

なぜ

ゴミ出しだったのか?

思い出すと笑ってしまいます。

きっとラン君も新しいことができた時

あれ?

できちゃった!

と喜んでいると思います。

何かできると

人も動物も自信を持てます。

そして、誉めてもらえたら

もう一度と思うでしょう。

更に

私を驚かせることが・・・

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

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