金属行人(2月14日付)

 1月2日、テレビ大阪で関西財界3団体の新春座談会が放送され、関西経済連合会・松本正義会長(住友電気工業会長)、大阪商工会議所・尾崎裕会頭(大阪ガス会長)、関西経済同友会・鈴木博之代表幹事(丸一鋼管会長兼CEO)が今年の関西経済などを語った。この中で、今年の関西経済や社会の目標を漢字一字で表せば、ということで、松本会長は「和」、尾崎会頭は「創」、鈴木代表幹事は「勢」を掲げた▼このうち鈴木氏は「勢」について「世の中、勢いが出てきた。(企業は)未来に向けて、賃上げや設備投資など勢いを出す時代だ」と語り、次代に向けた重要な1年になるとの見解を示した▼丸一鋼管は今年からの2年間で約130億円を投資して、国内では生産・出荷の整流化、海外では能力増強を図る。景気に勢いの出ているベトナム、米国、メキシコでタイムリーに生産や出荷能力を高めて需要増を捕捉する。先週9日には山陽特殊製鋼がインド合弁の特殊鋼一貫メーカーを連結子会社化すると発表。電炉大手の共英製鋼もベトナムで鉄スクラップ輸入などの港湾事業を2月から開始した▼いずれも「勢い」を感じる。同時に、鉄鋼各社にとってグローバル展開を軸にした成長戦略がさらに進む年になりそうだ。

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