動物公園、再整備へ前進 民間活用検討で予算計上

 川崎市内で唯一の動物園が転換期を迎えそうだ。同市幸区の「夢見ケ崎動物公園」は、2018年度から老朽施設をパークPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で再整備するなどの検討に入る。18年度一般会計当初予算案に関連費1千万円を計上した。

 1974年に開園した同園は年中無休・入場無料と、地域の老若男女に愛されてきた。その一方、施設の老朽化は顕著で、動物の生態に配慮していない旧来型の獣舎も目立っている。来園者からは自動販売機以外での飲食の提供場所や授乳室、休憩室の設置を求める声も高まっていた。

 2017年度には市民や企業から寄付を募り、動物の餌代などの運営費用に充てる仕組み「サポーター制度」を導入。しかし、計約140万円にとどまり、伸び悩んでいるのが実情だ。

 パークPFIは民間資金による公園活性化を目的として、17年5月に改正の都市公園法に盛り込まれた。大阪市の天王寺動物園ではトイレの命名権を売り出すなど、全国的に民間の力を活用する流れに変わりつつある。民間事業者に賃貸する施設に飲食店などをオープンしてもらうことも考えられるため、利用者ニーズに応えることや、自然環境を生かした展示などの再整備への財政負担の軽減にもつながっていく。

 夢見ケ崎動物公園の岩瀬耕一園長は、「全体的に老朽化が進んでおり、来園者の観点から、ソフト面でもハード面でも魅力ある園にしていく必要がある」と話している。

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