平昌五輪をテレビで見ながら、東京オリンピック・パラリンピックまでいよいよ2年かと改めて認識するものの、なぜだろう、前向きな気分が一向にわき上がってこない。現代美術家の会田誠(52)は言う。「(五輪に対し)ポジティブになろう、なろうとすることが、余計暗くさせるところがあると思うんですよ」。政治家でも役人でも都市計画家でもない、アーティストの会田が「都市のあり方」をテーマに東京を、日本を考える個展を開いている。ぶっ飛んでいるが、真面目で刺激的な展覧会だ。(黒沢綾子)
東京都港区の青山クリスタルビルで開催中の「会田誠展 GROUND NO PLAN(グラウンド ノー プラン)」。会田は美少女、暴力や戦争、政治などをモチーフに現代社会を鮮やかに批評する作品で知られるが、都市計画に関するものに「新宿御苑大改造計画」(平成13年)がある。