球磨川の絶景に感動!熊本を満喫する観光列車「かわせみ やませみ」の旅

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日本の各地を走る、絶景が楽しめる観光列車。この記事では2017年にデビューした九州・熊本の特急列車「かわせみ やませみ」の乗車記をお届けします! 日本三急流・球磨川の澄んだ美しい水の色を眺めながらゆったりと過ごせる列車の様子とともに、予約方法やおすすめの座席、車内で楽しめる熊本名物、旅行ルートなどを解説します。

2017年春デビュー!「かわせみ やませみ」で晩秋の熊本を満喫

この度乗車するのは、熊本県の鹿児島本線・肥薩線を走る特急「かわせみ やませみ」。熊本県の中心市街地である熊本駅から温泉地・人吉へと至る路線を1日に3往復走っています。日本三急流の一つに数えられる、険しくも美しい球磨川の絶景を眺めながらの旅路です。

今回、せっかくなので沿線地域の様子もお伝えしたい…と思い、熊本県の広報を担当する方にお聞きしました。
「まず、震災で被害のあった阿蘇地域や熊本城周辺では元気に復興が進んでいます。そしてそれ以外の地域、人吉・球磨といった熊本県南部にも素敵な場所がたくさんあるということをたくさんの人に知っていただきたいです!」とのこと。
というわけでこの度は、列車の様子とともに八代・人吉・球磨を中心とした熊本南部の魅力をお届けしていきたいと思います。

実際に乗車したルートはこちら。行き(くだり)は熊本駅から普通列車に乗車し、八代にて乗り換え。一勝地に立ち寄って、特急発着駅である人吉駅で宿泊します。帰り(のぼり)にいよいよ、特急かわせみ やませみへの乗車です。お土産購入のため新八代で下車することとしました。

出発地である熊本駅前で腹ごしらえ。行列店・黒亭(こくてい)で名物の熊本ラーメンをいただいて準備万端!

■普通列車に乗って人吉へ

行きの普通列車は人吉駅まで直通していないので、八代行きの鹿児島本線と人吉行きの肥薩線を乗り継ぎます。いずれもワンマン列車で、かわいい赤色でした。

普通列車八代行き/八代駅にて
普通列車人吉行き/一勝地駅にて

合格祈願スポット「一勝地」などに立ち寄りつつ、特急列車の発着点である人吉駅へ。到着するころには暗くなってしまっていましたが、古くから栄える温泉街の暖かい明りに迎えられながら街中に向かいました。

風情ある町並みを散策しながら、地元の人に愛される居酒屋や立ち寄り温泉をのんびりと楽しみます。清流・球磨川のほとりで長年作り続けられている地酒「球磨焼酎」もいろいろ堪能! 日常を忘れてゆったりとできるひと時でした。

※人吉名物の球磨焼酎については【こちらの記事】でレポート!

■人吉~新八代 特急かわせみ やませみ乗車記

翌朝。人吉温泉をあとにして、人吉駅に停車中の「かわせみ やませみ」のもとへ。のぼりがかわせみ、くだりがやませみ……というわけではありません。かわせみ=青色基調の車両と、やませみ=緑色基調の車両が一対になり、一編成で「かわせみ やませみ」となります。

ドキドキしながら、車両の中へ。

入ってすぐ目に飛び込んでくる深い青と緑色の座席、木のぬくもりを感じるしつらえ、繊細な模様や装飾……。きらびやかながらも落ち着いた、心地よいホテルのような雰囲気だと思いませんか? 球磨・人吉産の木材や八代産のい草が使われているという、この美しい内外装は、クルーズトレイン「ななつ星in九州」などのデザインも手がける水戸岡鋭治氏によるもの。この車内の様子をカメラに収めたときの感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。

列車の中を歩くと……地元・球磨郡の特産品や「かわせみ やませみ」にちなんだ本が並べられたショーケース、不定期で球磨焼酎がいただけるカウンターまでありました! ゴトゴト列車に揺られながら、川の恵みにはぐくまれた焼酎を一杯……ここで過ごす時間そのものに酔いしれてしまいそう。

車内でワクワクしているうちに、出発の時間です。私の席は1号車「かわせみ」車両の後ろのほう。

この日はご覧の通り、曇り空に時々雨の混じるあいにくの天気。美しい川の景色が拝めるのか、不安を覚えながら車窓を眺めていました。

すると、そんな気持ちを一瞬で打ち消してしまう、球磨川の澄んだせせらぎが目の前に現れたのです!

きれいに縁取られた窓からの景色はまるで絵画のよう。天気の良くない日でもこんな風景が見られるなんて驚きです。どうしてこのかわせみ やませみが青色と緑色に彩られたのか、しみじみと感じ入るような、見事な調和を見せていますよね。

リクライニングシートからも、カウンタータイプの席からも、こんな大パノラマ。おしゃべりしたり、飲み物を飲んだり、皆さん思い思いにこの景色と乗り心地を楽しんでいます。

ちなみに晴れた日はこんな様子。夏場はラフティングもできるそうです。気持ち良さそう!

1号車「かわせみ」の先頭付近には、こんなかわいらしい窓を発見。「バードウォッチングウィンドウ」とあります。ここから本物の"かわせみ"を探してみてね、という粋な計らいなのでしょう。

記念乗車証のスタンプ台があったので、記念に押印してきました。

ドラマチックに流れる景色と居心地の良い空間にうっとりしているうちに、新八代駅へ到着。随所に趣向が凝らされ、まったく飽きずに過ごすことができた約1時間の乗車でした。

最後に、新八代駅から徒歩3分ほどのところに位置する「八代よかとこ物産館」にてランチ&お買い物。特産のトマトを活かした「八代トマト麻婆豆腐」は、ピリ辛餡に爽やかな酸味がぴったりの一皿です! ここから熊本空港へバスで向かい、短い熊本の旅を終えたのでした。

かわせみ やませみ攻略法(1)絶景が見られる座席を確保!

行き・帰りそれぞれの列車の様子と景色を紹介してきました。ここからは実際に「かわせみ やませみ」に乗る際のおすすめ座席と予約方法について解説したいと思います。
この鹿児島本線・肥薩線は、区間と方向によって見える景色が少し異なります。

熊本~八代間は市街地を通り、川がよく見えるのは八代から那良口付近まで。そして八代~人吉駅の間で、鎌瀬駅を基点に川の見える方向が変わります。 

(1)熊本から人吉に向かう場合
八代~鎌瀬は右側/鎌瀬~那良口は左側

(2)人吉から熊本に向かう場合
那良口~鎌瀬は右側/鎌瀬~八代は左側

河口、上流、カーブの続く山間などそれぞれ良さがありますが、人吉行きでは進行方向左側、熊本行きでは右側の方が比較的長い時間楽しむことができるのでおすすめです。ただ完全に一方向しか見えないわけではないので、希望の方向の座席でなくてもご心配なく!

かわせみ やませみ攻略法(2)座席タイプと限定駅弁

座席タイプはスタンダードな二列席のほか、このようなバリエーションがあります。
ご夫婦などお二人連れの方には、テーブル付きの向かい合う席や二人がけのソファ席がおすすめ。3人以上のグループ旅行にはカウンター席やボックス席が人気です。

ぜひ、ゆったりしたテーブル付きの席で、列車限定のお弁当や地元の焼酎を楽しみたいですね。仲間とにぎやかに楽しみたいスイーツセットやおみやげ品、かわせみ やませみグッズも車内で販売しています。

熊本名物・球磨焼酎(銘柄は時期により変わります。常時3種類販売)
球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット

※注意点として、平日の1号・2号と、土日祝の1号では車内販売を行なっていません。(私が乗ったのは平日の2号でした!涙)

かわせみ やませみ攻略法(3)予約は電話&窓口がおすすめ

基本的にはほぼ全席指定席(※1)となるので、事前に予約しておくのがおすすめ。
JR九州の窓口、またはWEBサイトで申し込みができます……が! ボックス席やカウンター席の指定は窓口・電話のみで受付(WEBでは未対応)となりますのでご注意ください。
料金は熊本~人吉間で3,270円です。他の区間についてはJR九州のWEBサイトでご確認ください。

◇かわせみ やませみについてはこちら
https://www.jrkyushu.co.jp/trains/kawasemiyamasemi/ 

◇電話予約についてはこちら
http://www.jrkyushu.co.jp/railway/tellyoyaku/ 

(※1:朝一番に出発するかわせみ やませみ1号・2号は「やませみ」が自由席となります)

筆者おすすめ!かわせみ やませみ満喫ルート

今回の乗車記では、熊本を縦断し人吉まで往復する行程を辿りました。これはこれで良かったのですが、もっといろんなスポットを楽しむ行程はないものか?と思い気づいたのが、人吉市が鹿児島県にとっても近いこと! かわせみ やませみを利用すれば熊本と鹿児島を一気に楽しめるのでは? そんな思いつきから2つのルートを考案しました。

《熊本・人吉&鹿児島・霧島 温泉地めぐり旅》

一つ目は、熊本空港から出発し鹿児島空港で終える、一方通行ルート。
熊本城や熊本ラーメン⇒かわせみ やませみに乗って人吉温泉で宿泊⇒鹿児島の霧島温泉を散策、という1泊2日で温泉をはしごする旅路になります。もちろん逆パターンも可能です。熊本~人吉を往復するルートと比べると、違ったスポットをいくつも廻れるので効率的ですね。

《オトクなきっぷで熊本&鹿児島ぐるり旅》

もう一つは、JR九州のお得なきっぷ「肥薩線のんびりきっぷ」を利用するルートです。熊本~鹿児島中央間の往復のどちらかは九州新幹線、もう一方でかわせみ やませみを含む肥薩線を利用できます。肥薩線経由区間はなんと乗り降り自由のフリーきっぷ! このきっぷを使い倒す旅行ルートがこちらです。

熊本市街を散策⇒かわせみ やませみに乗って人吉温泉で宿泊⇒霧島・鹿児島市街地周遊⇒新八代に立ち寄って帰路へ……といった形でぎゅっと2日間で満喫。乗り放題で気ままに利用できて、なんとお値段10,500円!(有効期限3日間)
鹿児島空港出発の逆周りのルートでも可、さらにもう1泊することも可、です。ぜひアレンジして使ってくださいね。同じ空港発着の往復航空券を利用したいという方にもオススメです。

◇肥薩線のんびりきっぷ
http://www.jrkyushu-kippu.jp/fare/ticket/

熊本にこんな列車があったなんて知らなかったという方、九州旅行ついでに観光列車に乗ってみたいという方に、ぜひおすすめしたい「かわせみ やませみ」。百聞は一見にしかず、です。実際に乗らなければ味わえない感動がたくさん待っていますよ。いつでも美しく流れ続ける球磨川の絶景に会いに行ってはいかがでしょうか?

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