古河テクノマテリアル、NT合金製品の製造能力を5年で5割拡大

 古河電工グループで形状記憶・超弾性合金などを手掛ける古河テクノマテリアル(本社・神奈川県平塚市、社長・鈴木比呂輝氏)は2022年度までの5カ年で、注力製品のニッケル―チタン(NT)合金製品の製造能力を17年度比で5割拡大する。20年度をめどに上工程の真空溶解炉を増設。さらに連続伸線や熱処理などの下工程を順次増強し、医療関連需要の取り込みを図る。

 同社ではNT合金の線材や管を製造している。線材はカテーテルを体内に挿入する際に使うガイドワイヤ向けなどで拡販。管は血管を内部から拡張し血流を回復させる医療器具のステント向けなどに納めている。

 今後、医療関連市場は世界的に年率約5%ペースで拡大する見通し。原料溶解から一貫した体制により、上工程から品質を作り込める特長を生かすほか、古河電工グループが持つグローバルな販売網などを用いて拡販に注力。市場の伸びを超えるペースで販売量を伸ばしていく。海外では需要の伸びが見込まれる欧米に加えて、中国市場を開拓する方針。

 真空溶解炉は現在2基あり、うち1基がNT合金製品用。今後は3基目を導入する考え。能力の増強で供給の安定性をさらに高めて、拡販にいっそう注力する。鈴木社長は「海外のトップメーカーと肩を並べられる存在を目指したい」と話している。

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