鎌倉震災志に教訓学ぶ 建長寺で17日公開講座

 「『鎌倉震災志』に学ぶ防災と減災」と題した公開講座が17日、鎌倉市山ノ内の建長寺で開かれる。東京や神奈川を中心に10万5千人余りが犠牲になった関東大震災時の鎌倉の被害や復興の記録を基に、今に通じる教訓や課題を探る。

 1923年9月1日の関東大震災は当時の鎌倉町に大きな被害をもたらした。鎌倉停車場付近が大火で焼失し、材木座や長谷などは津波に襲われた。崖崩れも相次ぎ、建長寺をはじめ多くの寺社や文化財も被害を受けた。そうした状況や復興の歩みをつづった町役場発行の「鎌倉震災誌」は、当時の苦難を伝える貴重な資料となっている。

 講座は県建築士事務所協会鎌倉支部(森安啓司支部長)が主催。震災誌の現代語訳に取り組んだ同市職員有志のグループ「NAMAZUの会」のメンバーが講演する。同会が昨年夏に発刊した「新編 鎌倉震災志」では、各地の被害状況だけでなく、震災体験者の手記や今も残る供養碑も取り上げている。

 講座は無料だが、拝観料が必要。午後1時半〜4時。当日先着順。問い合わせは、同支部の矢澤正明さん電話0467(42)7920。

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