「津久井やまゆり園再生」へ約8億円計上 神奈川県当初予算案 相模原市中央区

 神奈川県は7日、2018年度当初予算案を発表し、元職員による殺傷事件があった「津久井やまゆり園」の再生に関する来年度の事業へ約8億円を計上した。

 事件後、緑区千木良に立地する施設(仮称:津久井やまゆり園千木良園舎)の入所者らは、横浜市港南区芹が谷の施設へ仮移転し、千木良園舎は現在無人となっている。有識者らの審議を経て、昨年10月に策定された同園の再生基本構想では、千木良と芹が谷などの施設を拠点に同園を小規模・分散化する案が採用されていた。

 基本構想などをもとに県は、千木良園舎の居住棟の除却や、同所で再建される新施設の設計などに総額8億3770万円を計上。県の担当課によると居住棟などの除却工事については現在、実施業者を選定しており今年4月には開始する見込み。

 他にも、同園約130人の入所者が「今後どのような施設で生活したいか」についての意思表示を支援する「意思決定支援」の関連事業へ4490万円を充てる。入所者への意思決定支援に関する取り組みは今年度も実施されており、県の担当課によると既に入所者10数人への意思確認を進めている。来年度中には約半数の入所者を対象に作業を進めて行く予定だ。

 小規模なグループホームをはじめとした入所者の地域生活への移行を支援する事業には3477万円を計上。同園の入所者を受け入れた施設には1人の受け入れごとに155万円補助し、受け入れのために施設改修をする場合は1件あたり上限500万円の補助を行う。

荒天中止の催事3月開催

 県はこのほど、荒天により延期となっていたイベント「みんなあつまれ」を3月17日・18日(土・日)に横浜赤レンガ倉庫で行うことを発表した。

 同イベントは津久井やまゆり園での事件を受け「共生」の理念を広めるために県が企画。昨年10月に開催される予定だったが、台風により延期となっていた。

 同イベントの詳細は県共生社会推進課【電話】045・210・4961へ。
 

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