災害時の自助や共助を考える 横浜でフォーラム

 災害時に欠かせない自助や共助の輪を広げようと、「地震・防災フォーラム in よこはま」が17日、横浜市中区の市開港記念会館で開かれた。市内各地の自治会や管理組合などが被災後に支え合うための実践を報告。専門家も交えて東日本大震災や阪神大震災の教訓を共有し、立地などの特性に目を配った備えの大切さを再確認した。

 活動を報告したのは、本郷町3丁目第1町内会(中区)、さざなみ団地第1住宅自治会(金沢区)、前田ハイツ防災委員会(戸塚区)、サン・ステージ緑園都市西の街管理組合(泉区)。

 「崖地に囲まれており、地域防災拠点(避難所)に行くのが難しい。別の拠点を独自に確保しようと取り組んでいる」(本郷町)、「バルコニーの柵に結び付ける安否確認用の『OKタオル』を各世帯に配り、訓練を重ねている」(さざなみ団地)などと、それぞれの工夫の一端を紹介した。

 2部では、兵庫県立大大学院減災復興政策研究科の教授が講演。「幹線道路だけでなく、路地裏の防災も必要。細やかな対応はコミュニティーにしかできない」と述べ、自助と公助をつなぐ共助の意義を説いた。日本損害保険協会神奈川損保会の会長は地震保険の仕組みを解説した。

 横浜の地震リスクの高さを念頭に置いた今後の方向性を巡る討論では、「大切なのは人づくり」「家が壊れると、避難もバケツリレーもできない。住宅の耐震化が全ての原点」などの意見が出された。

 フォーラムは市と損保協会が主催した。

© 株式会社神奈川新聞社