強打と機動力、童顔に似合わぬ豪快スイング…日ハム谷口は復活なるか

日本ハム・谷口雄也【写真:編集部】

高校時代は「イチロー2世」、昨季は右膝前十字靭帯損傷で…

 182センチ80キロ超の大きな身体から繰り出される鋭いスイングと、母校の大先輩になぞらえて「イチロー2世」と呼ばれた俊足。スケールの大きい北の「走れるスラッガー」候補にとって、2017年は苦難の年となった。

 北海道日本ハムの谷口雄也外野手が右ひざの大けがを乗り越え、春季キャンプで1軍帯同を果たした。復活、そして本格ブレイクに向けて、現在その歩みを進めている最中だ。

 愛工大名電高校から2010年のドラフト5位で北海道日本ハムに入団した谷口は、早いうちにファームで存在感を発揮し、4年目の2014年から一軍での出場機会を増やしていく。

 2016年には、自己最多の83試合に出場して打率.254をマークし、7回盗塁を決めて失敗は0という脚力でもチームに貢献。球団新記録となる夏場の15連勝にも少なからず寄与し、日本シリーズでも5試合に出場するなど、多くの経験を積むシーズンとした。

 翌2017年は当然、さらなる飛躍が期待されたが、春季キャンプ中に右ひざの接触性皮膚炎によって離脱。その後、右膝前十字靭帯損傷と診断され、靭帯再建手術に踏み切った場合は、開幕前の時点でシーズンを丸々欠場することが決まってしまう事態となった。

2017年に大きく変わった日本ハムの外野手事情

 それでも、「僕自身が今後の野球人生も含めて考えて決断しました。手術は残念ですけれど、また早く元気な姿、プレーを見せられるようにリハビリを頑張ります」と、これからも続く選手生活を見据え、焦ることなく手術を選択。幕を開けたペナントレースの陰で、長いリハビリ生活に突入した。

 2017年のシーズン、前年日本一に輝いたチームはケガ人の続出もあって苦闘を強いられ、そんな中、ファーム施設でリハビリに励む生活は、苦しくもどかしいものだったに違いない。

 しかし、そんな日々を乗り越えて、約1年が経過した現在。幸い順調に回復しており、先述の通り今春のキャンプでは元気な姿を見せた。再び1軍へ定着するべく、谷口の新たなチャレンジが始まっている。

 谷口が離脱している間に、北海道日本ハムの外野手争いの様相は大きく変化した。昨季の盗塁王である西川遥輝外野手が正中堅手となり、大田泰示外野手と松本剛外野手が、与えられたチャンスをものにしてそれぞれ自身初の規定打席到達を果たした。

 昨季は故障に苦しんだ岡大海外野手や淺間大基外野手も谷口同様に復活を狙っており、2018年はこれまで以上に熾烈なポジション争いが繰り広げられるだろう。

 しかし、強打と機動力を併せ持つ谷口の復活を願っているファンは、ほかの選手たちに負けず劣らず多いはずだ。今季こそは、復帰を待ち望んでいた人々の声援に応え、その童顔に似合わぬ豪快なスイングを再び披露してほしい。

(Full-Count編集部)

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