千代ケ崎砲台・第三砲座跡公開 横須賀

 東京湾口の防御のため、明治期に整備された国指定史跡「千代ケ崎砲台跡」(神奈川県横須賀市西浦賀)の第三砲座跡が17、18日、一般公開され、計約900人が訪れた。本年度から市が発掘調査を進めて明らかになった石組みの下部構造など、当時の最先端の技術力に触れた。

 千代ケ崎砲台は明治20年代に建設され、三つの砲座が直線上に並び、りゅう弾砲6門が据えられていた。第2次世界大戦後、第二と第三の砲座は埋められ、海上自衛隊の通信所として利用された。

 2015年に国史跡に指定され、市が史跡整備調査の一環で昨年11月から今月にかけて第三砲座跡と付近の左翼観測所跡を発掘した。

 18日には、市生涯学習課職員が第三砲座跡の遺構が良好に残っていることや、砲床の下部構造が石を八角形に組み合わせて構成されていることなどを紹介。よこすかシティガイド協会のメンバーが地下施設を案内した。東京都三鷹市から訪れた自営業の男性(65)は「きれいに残っているのはすごい。きちんと保存して後世に残してほしい」と話していた。

 同砲台跡は来年度、奇数月の第3土、日曜に事前申込制で公開される予定。問い合わせは、同課電話046(822)8484。

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