橋本総業HD・女子テニスチーム、初出場から5年目で悲願の日本リーグ制覇 緻密なデータ分析に基づく練習・戦略で栄冠

 大手管工機材問屋の橋本総業ホールディングス(本社・東京都中央区、社長・橋本政昭氏)の女子テニスチームが、第32回テニス日本リーグで初優勝を飾った。初出場から5年目、過去4年間決勝戦で島津製作所に苦杯をなめてきたが、今大会は緻密なデータ分析に基づいた練習や戦略を徹底したことで、勝利を手繰り寄せた。悲願の初栄冠を手にした女子テニスチームに、応援に駆け付けた社員やコーチ陣、取引先・メーカー関係者らが大いに沸いた。

 テニス日本リーグは、実業団による国内最高峰のテニス団体戦。各地域から予選を勝ち上がってきたチームが、6チームずつ2ブロックに分かれて総当たり戦を行う。各試合はシングルス2戦、ダブルス1戦の計3ポイントを争う対抗戦。各ブロックの上位2チームの計4チームが、決勝トーナメントに進出する。

 橋本総業HDはブロックの総当たり戦を5戦全勝で勝ち抜き、決勝トーナメントに進出。初戦で日本郵政グループを破り、5年連続で決勝に駒を進めた。

 5年連続の〝因縁の対戦〟となった島津製作所との決勝戦だったが、シングルス戦で瀬間詠里花選手と小堀桃子選手、ダブルス戦では穂積絵莉・江口美沙組がそれぞれ勝利し、3対0で見事初優勝を決めた。

 13日に橋本総業本社で会見した橋本社長と選手らは今回の初快挙を喜びつつ、勝因を冷静に分析した。

 今回初参戦の井上明里キャプテン兼コーチは「今大会を迎える前、橋本社長から対戦相手等のデータ分析を依頼された」事実を公表。「実際の試合やビデオを駆使して、対戦相手の癖や対策を緻密に練っていった。分析したデータをもとに個々の練習メニューや対戦オーダーを組んでいった」という。また、大会前の豪州への遠征などがチーム結束力強化に一役買ったことを強調した。

 リーグ戦は2年目で今回初のシングルスを戦った19歳の小堀桃子選手は、決勝トーナメントに入ってから2戦2勝。チームに勢いをつけた。「周囲の皆さんの応援のおかげ。頼れる先輩方のアドバイスも自分のモチベーション向上につながった」と振り返った。

 吉冨愛子選手は、ファーストステージとセカンドステージでシングルスとダブルス両方で勝利。「今年は、初優勝という目標に向かってチームが一丸になってまとまった雰囲気を感じた。最後は、勝利に対する執念だったと思う」と述べた。ダブルス戦で勝利に貢献した高畑寿弥選手もチームの結束力を強調。「社員や取引先関係者らが毎回大きな声で応援していただいたことが、非常に励みになった」と感謝の意を語った。

 橋本社長は選手たちの健闘を讃えつつ「前回大会までとは違うアプローチの仕方が奏功した。若手選手の台頭によってチームの選手層の厚さも勝因の一つだったと思う」と分析した。

 橋本総業の女子テニスチームは13年の結成以来、日本リーグをはじめ数々の国内大会で好成績を収めている。今では、ジュニアや学生プレイヤーの間でも認知度が上昇。「これからも門戸を開放し、でき得る限り実力ある若手プレイヤーのサポートをしていきたい。女子テニスチームと昨年結成した男子チームには、さらなる高みを目指してほしい」と今後の活躍に期待を寄せた。

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